正直に話して。
そう言われて全て話したところで欲しいのはそんな答えではないだろう。
納得した上での選択。
そんなこと間違えていると言われることはわかっている。
わかっている以上は。
「向こうで話そう」
この選択もまた、決まったことなのだ。

梅雨に入った。
と言う割に雨があまり降らない。
雲もあまりない。さすがに空気は湿っているが。
一週間も降らないでいると天気予報も疑わしい。
だから今日くらい傘を置いていっていいだろうという気になった。
なったのがいけなかった。
帰りに雨に降られたのは完全な自業自得である。

無垢と言われることに抵抗があった。
わたしも人並みに悪いことをしたり言ったりする。だと言うのにいい子のように扱われている。ちょっとだけ、うんざりしたり。
でももっと嫌なのが、そいい子のふりをしているわたし。
わたしって、なんだろう、って思う。

終わりなき旅。
それに至れる人間と挫折する人間がいる。
もちろん、本人の根気や努力が重要になってくる。時に運や人の縁も助けになるだろう。
だが、どうにもそれだけではないらしい。
とんでもなく運がよかろうと、驚くくらい根気がよかろうと旅を断念する時もあるのだ。
私は、一つの法則に辿り着いた。
訪れる出会いや別れを楽しめること。
これこそ重要ではないかと思っている。

あやまらせたいのではない。
だけどいつもこう言うのだ。
「ごめんね」
と。
少しでも近づきやすいようにと、声を柔らかくしたり、表情が固くならないようにしても、なかなか改善されない。
諦めたくない。
せっかく、同じグループになったのだ。すこしでも好かれたい。
だけど、私といるより楽しそうな顔を見て、私じゃ、無理なんだと理解する。