一年後、お会いしましょう。
そう言って連絡が途切れた。
試しに手紙を出すも帰ってきてしまった。まさか本当に一年経たないと連絡すらできないのか。
一年、一年。
意味もなく繰り返す。会えない間、どうしよう。
向こうは、どうしてるだろう。



一年後

好きな人から聞きたくない話と言えば。
私は断然初恋。
私の知らない間に。彼の心を奪った憎き恋敵。
勝手と思うだろう。だけど人一倍嫉妬深い私はそれがたまらなく嫌なのだ。
そんなわけで初恋をした日という今日、片時も離れまいと陣取っているのだ。



初恋の日

明日世界が終わろうと終わるまいと仕事してそうな友達がこの度新婚旅行に行きました。
みんなあんぐりしてます。
私もです。
人って変わるもんだ。
帰ってきた友達はちょっとだけ肉付きが良くなった気がします。お土産を食べながら聞きました。あんたは絶対そう言うの行きそうにないのにどうしたのよって。
そうしたら「明日世界が終わるかもしれないと思ったら彼女との思い出が欲しくなった」って。
彼女様様である。
この調子で有給も産休も覚えてほしい。

良かったと思う。
最高にまで至らなかった。いや、本当は最高と思っている。思ってるけど、なんだか癪でついそう言ってしまった。
最後まで意地っ張りでどうしようもない。
だから今度君に会えたらこう言おう。
ボクnとっての一等星だって。


君と出会って

何か、かすかな物音がする。
それも絶え間なく。
最近掃除をしたばかりの私は気になって音の発信源を辿る。
幸いなことに音は今も聞こえていた。
なんだ。
枯葉を砕いているように紙をガサガサと擦り合わせているようにも聞こえる。ゴミの取り逃がし、と思っている。思ってはいるが心のどこかで、招かれざる客人の可能性がちらつく。
まさかまさかそんな。


耳を澄ますと