待つのは得意だ。
だって時間に身を任せればいい。
好きなこと嬉しいことをぼんやりと思い浮かべればいい。するとあっという間に時間が過ぎ去っている。
大丈夫。
あなたが言ったのだから私はただ、信じればいい。
大丈夫。大丈夫。
そう呟いて誤魔化す。
私の手元に届いた封筒を握りしめ、もう一度呟く。
「大丈夫」
待ってて
不思議と満たされた心がゆっくりと一つの欲求を求めた。
伝えたい。
誰でもいい。
なんならたった今横を通り過ぎた老夫婦でもいい。
お時間をくださいなとお声かけしたい。
それほどまでに私が見た舞台は人の胸を打つ。
私の得た感動を共有したい。そして興味を持つきっかけを。
きっとご満足いただけるはずだ。さも私が考えたような傲慢ささえ芽生えた。
伝えたい
さようなら友よ。
またお会いしましょう。
桜が咲く頃に、温かい季節に。
またこの場所であなたのお姿を見れる日を心待ちにしております。
ですから生きることを投げ出さずに。そうすれば何時か芽がでるのです。
生きてください。一分一秒でも長く。
さようなら友よ。
この場所で
誰もがみんな、大切なものがある。
それは、人だったり、ものだったりと目に見える物。信念、宗教、関係など目に見えないものと多種多様だ。
だから人はブレないのだろう。
時に信じて、頼って、頼られて。
時にそれが衝突の原因になって。
それはきっと自分の一部だからなんだ。
自分の一番素直で繊細な面。
誰もがみんな
花束なんて、貰っても。
取って置けないし。嵩張るし。
現実的なことばっかり考えていた。
捨てる時なんて悲惨だ。しおしお。カサカサ。
やっぱり花なんてもらっていいものじゃない。
それが好きな人から貰ったらなおのこと。
会社のイベントの一環で手渡された小ぶりの花束。私以外にも渡している。
それでも間違いなく好きな人からだ。
どうしてくれる。未練がましく捨てられないではないか。
スマホでドライフラワーのやり方を調べることになるとはつゆにも思わなかった。