9/16/2023, 3:01:49 PM
ついに空が泣き出した。
しとしとと地面に模様を描いたかと思えばあっという間にあたり一面を染め上げる。予定を切り上げ帰ってきたのは正解だったようだ。さて外ばかり眺めていられない。
ベットに出来上がった小さな山を一撫してからゆっくりとタオルケットをめくりあげる。
「……泣いてない」
「そうだね。泣いてるのは空であってソラじゃないね」
ソラの起こした洪水を受け止めすっかりへたったタオル。それでも解放することなく顔に押し当てている。
「……コロが来たのも雨の日だったね」
「…………」
「もしかしてこの雨もコロが呼んだのかな」
するとのそのそとタオルケットから顔を出したソラ。
「ムツからお花の香りがする……」
すん。そう鼻を寄せる。時折鼻を啜る音が聞こえティッシュを手渡せばオズオズとそれを受け取る。
「うん、一番綺麗なの買ってきたよ……」
9/15/2023, 1:04:44 PM
どうでもいい人からや、dmによって君からのラインが埋もれていく。
ついさっきまで上から数えていたのに今や下から数えた方が早くなってしまった。いっそ、ピン留めしてしまおうかという欲に駆られる。
だが仕事上そうも行かない。
うんうんと悩んでいるうちに取引先から確認が入った。それに返信している間に上司、同僚ときて部下三人からも連絡が入る。こうなってしまえば嫌でも仕事に切り替わる。
ついに最初の問題に取り掛かるのは誰も彼もが帰路に着く頃。
いいや、なにを迷っているんだ。消してしまおう。
それがいい。どうせ、連絡など来るわけが、ない。
そうアイコンを長押しする。
だがその操作を停止していた。
赤い丸と数字が現れたのだ。
一瞬しかめ面を作る。
ひらくもんか。開かなくとも通知で解るのだ。