#8 特別な夜
特別な夜は恋人とすごしたいもの。
そんなふうに思うのは
私だけじゃないはず。
クリスマス
記念日
お互いの誕生日
まだ先だけど、
結婚式の夜、とか
嬉しいことは貴方と共有したい。
まぁ、一緒にいられること自体が
嬉しいことだから
あなたと一緒に過ごす夜は
いつだって特別だったりするんだけどね。
#7 君に会いたくて
何も予定のない日の朝
眠気まなこをこすりながら
通知欄からメッセージアプリをひらく。
「今日なにしてるの?」
君から届いていたメッセージに
目を見開く。
「何もないよ、どうして?」
なんて、気付かないふり。
「会いたいんだけど、どう?」
期待していたその言葉は
思った以上に嬉しくて。
呼ばれたら「会いたい!」
即答してしまうくらいに
いつもわたしは、
君に会いたくて仕方ない。
#6 閉ざされた日記
過去の恋愛について記していた。
苦い言葉で終幕を迎え、
あの日以来閉ざされた日記。
だけどふと思う。
今、大好きな彼と一緒にいられるのは
あの日々があったからなのだと。
あの恋も
終わり方は酷かったけれど
苦しい思い出ばかりが詰まっていた訳では無い。
そう考えたら少し
あの日々を愛せるのだろうか。
固く閉ざしたあの日々を
覗く覚悟はまだ私にはないけれど
いつかはきっと。
#5 木枯らし
木枯らしが吹く。
冷たさをまとって
もうすぐ冬が訪れると告げている。
寒いのは苦手だけれど、
貴方と出会ってから少しだけ楽しみになった。
貴方の左手に繋がれた私の右手が
ひんやりとした空気のなか
ゆるりと熱を帯びる。
これからくる寒い季節も
こんなふうに貴方に触れていたいから
手袋をわざと忘れてみようかな。
#4 美しい
人間は、美しいものに惹かれると思う。
かくいう私もそんな人間だ。
初めて貴方を目にした時のことを
今でも覚えている。
ある夏の教室で、
斜陽に照らされた貴方の横顔があまりにも美しくて
戸惑うことを知らず、声をかけた。
貴方は見ず知らずの私に
優しく微笑み返してくれたのよね。
恋に落ちるのは、必然だったのかもしれない。
なんて。