お題 誰かのためになるならば
「誰かのためになるならば、なんだってやれる!」
そう言っていた彼女は今多くの人を支えている。
有言実行だなと僕は思う。
でも...いや、なんでもない。
昔からこんなことをよくアニメ、漫画、ドラマなどで言われている。
「一人の犠牲を元に大多数の命が救われる。」
みたいな言葉。
これは本当のことだったらあなたはどっちがいいと思うだろうか?
一人を助け、大多数を見捨てる。
大多数を助け、一人を見捨てる。
多くの人が大多数を助けるだろう。
僕はどっちもできなかった人間だ。
人を見捨てるのが怖くて、怖くて。
彼女は自分を犠牲にしたよ。
彼女らしいな。悪い意味でね。
お題 鳥かご
この世界は鳥籠だ。ずっと私はそう思っている。
学校だってひとつの鳥篭。家だってひとつの鳥篭。
雛はぴーぴー鳴いて餌を、全てを欲しがる。
それは、地位だったり、金だったり、他の雛だったりする。
雛はやがて他の雛を蹴落とすことを知り、鳥かごの一番いいところを取りに行く。
そして、雛はやがてひとつの鳥籠から出ていく。
そして、他の世界を、他の鳥篭を知る。そして、鳥籠から出ると、雛は立派な鳥になり、一人前になる。世界を知った鳥の運命は大きく分けてふたつ。そこで一番になるか、自分の才能を過信し、自分が鳥籠でしてきたように、蹴落とされるか。
私は、蹴落とされた雛。鳥籠からも出られず、ずっと家という小さな鳥籠の中にいる。
双子の妹は違ったけど。妹は私を蹴落とした、雛。
もう妹は鳥になる。私は雛のままだけど。
お題 花咲いて
「知ってる?C組の佐倉さんとE組の染岡くん、付き合ったって!」
そんな声が朝のホームルーム前の騒がしい教室から、聞こえた気がした。でも、びっくりはしなかったかな。あの二人、いつも一緒にいるし。でも今は卒業が近くなってきた時期。今頃なんて、珍しいな。もう直ぐ、お別れになっちゃうのに。
カバンの中からバレンタインのチョコを出す。もう、渡す相手はいないけど。佐倉さんが、あげちゃったと思うから。
蕾になって、花咲いて。でも、時には蕾にも花にもなれなかった。そんな奴がいたってことぐらい、思い出してね。