名無し

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7/31/2023, 11:57:37 AM

 お題 だから、一人でいたい。

「俺がそんな悩み持ってるわけないだろ!」
笑いながら俺はそういう。
クラスメイトたちと雑談を交わしていた時にその質問は飛んできた。
人間関係の悩みってある?そんな質問だ。
その質問に、俺は反射的にそう返した。
俺は自分で言うのもなんだけど、クラスの中心人物だ。顔もまあまあだし、気だってきくし、面白いこと言えるし。
人間関係最高!俺は人生勝ち組!陽キャの代表格!
そんな人間だ。他人が見ればな。

その日の帰り道だった。部活をズル休みして一人でとぼとぼ帰路に着く。はぁ...とため息をひとつ。
いつからだろう、こんなに辛くなったのは。
そう考えると気が遠くなりそうだ。
いつも周りに合わせてばかりだった。
なんとなくみんな楽しいって言う遊びをしたり、
なんとなくみんな勉強サボってるからサボったり、
なんとなくみんな陽キャになった楽だって言うから陽キャになって。
なんとなくばっかりの人生だ。
なんとなく周りに合わせて、
なんとなく楽しくて、
なんとなく....辛くて、消えたくて、死にたくて。
なんとなくだけで死ぬことないって思う。
でも、死ぬほど辛くは無いけど、生きるほど楽じゃ無い。
そんな間にいる。
「なんとなく辛いから...だから、一人でいたい。消えて、死にたい。」
声に出すとやっぱりちっぽけな悩みだと思ってしまう。
そんな時に、部活の友達の声がして、振り返る。
部活サボるのは不良だけだぞー!、そんなことを言って追いかけてくる。
「ごめんごめん。許して。今行くから。」
おどけて答える。なんとなくの笑顔を見せて。

7/31/2023, 5:32:06 AM

 お題 澄んだ瞳 

赤ちゃんの目は大人とは
違って少しだけ紫だそうです。
でも大人になるにつれて黒く、
紫が消えていくのです。
その現象を大人たちは大人になるにつれて汚いものを見ることになるから、と笑って言いました。
私も最初は嘘だと思いましたよ。
でも私は今はそれを本当のことだと思っています。
私は大人たちがいう汚いことをされました。
詳しくは言えませんが父からの虐待、DVという物です。
殴る蹴る、他にも痛いこと、嫌なこと、そんなことを毎日のようにされました。
私は大人たちのいう子供です。
保護対象です。
でもその代わり言うことが嘘と判断されやすい。
子供だから何もできないから助けが欲しいのに、大人は嘘だと思う。
酷いことですよね。
私の小さい頃の写真はあまりありませんが、暴力を振るう父に嫌気がさして出て行った母からは生まれた時は目は紫だったんだよ、そう言われていたので私も生まれた時の目は紫だったのでしょう。
でも今の私の目は真っ黒です。
澄んだ綺麗な黒とは違う、どす黒く、汚い黒なのです。

7/27/2023, 1:37:34 AM

 お題 誰かのためになるならば

「誰かのためになるならば、なんだってやれる!」
そう言っていた彼女は今多くの人を支えている。
有言実行だなと僕は思う。
でも...いや、なんでもない。
昔からこんなことをよくアニメ、漫画、ドラマなどで言われている。
「一人の犠牲を元に大多数の命が救われる。」
みたいな言葉。
これは本当のことだったらあなたはどっちがいいと思うだろうか?
一人を助け、大多数を見捨てる。
大多数を助け、一人を見捨てる。
多くの人が大多数を助けるだろう。
僕はどっちもできなかった人間だ。
人を見捨てるのが怖くて、怖くて。
彼女は自分を犠牲にしたよ。
彼女らしいな。悪い意味でね。

7/26/2023, 3:06:12 AM

 お題 鳥かご

この世界は鳥籠だ。ずっと私はそう思っている。
学校だってひとつの鳥篭。家だってひとつの鳥篭。
雛はぴーぴー鳴いて餌を、全てを欲しがる。
それは、地位だったり、金だったり、他の雛だったりする。
雛はやがて他の雛を蹴落とすことを知り、鳥かごの一番いいところを取りに行く。
そして、雛はやがてひとつの鳥籠から出ていく。
そして、他の世界を、他の鳥篭を知る。そして、鳥籠から出ると、雛は立派な鳥になり、一人前になる。世界を知った鳥の運命は大きく分けてふたつ。そこで一番になるか、自分の才能を過信し、自分が鳥籠でしてきたように、蹴落とされるか。
私は、蹴落とされた雛。鳥籠からも出られず、ずっと家という小さな鳥籠の中にいる。
双子の妹は違ったけど。妹は私を蹴落とした、雛。
もう妹は鳥になる。私は雛のままだけど。

7/23/2023, 10:37:44 AM

  お題  花咲いて

「知ってる?C組の佐倉さんとE組の染岡くん、付き合ったって!」
そんな声が朝のホームルーム前の騒がしい教室から、聞こえた気がした。でも、びっくりはしなかったかな。あの二人、いつも一緒にいるし。でも今は卒業が近くなってきた時期。今頃なんて、珍しいな。もう直ぐ、お別れになっちゃうのに。
カバンの中からバレンタインのチョコを出す。もう、渡す相手はいないけど。佐倉さんが、あげちゃったと思うから。
蕾になって、花咲いて。でも、時には蕾にも花にもなれなかった。そんな奴がいたってことぐらい、思い出してね。

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