あなたが社会の荒波に揉まれていることを思うと
心臓にナイフが突き刺さったように痛い
あなたに飛んでくる矢の盾になれたら
何本の矢が刺さろうとも痛みなんてないのに
ああ、泣かないで
あなたは私にとって世界一の宝石
あなたを守りたい
この繊細で美しいあなたを
『泣かないで』
人生を季節に例えたとき
辛い時はいつも冬と表現される
「寒い冬を乗り越えて」なんてよく聞く言葉だ
冬は寂しくて辛く、誰もが春の訪れを待っている
夏は楽しく明るくて秋になるとだんだん寂しくなってくる…
でも…
私は夏の暑さに息苦しさを感じるタイプだ
人々の賑わいに、その周囲の明るさに置いてけぼりにされて居心地の悪さを感じる
そして冬の静けさに心が落ち着く
あたりはしんとして、肌に纏う冷気が心地よい
こんな人間もいるのだ
冬の訪れを心待ちする人間も
『冬のはじまり』
勝手に話を終わらせないで
私の気持ちを分かった気になって
全部決めつけないで
私の本当の気持ちは
あなたが思ってるのと違うから
でもあなたは信じないでしょうね
いつの間にか
あなたに理解してもらうことを期待しなくなった
だから昨日も私黙っていたの
『終わらせないで』
買い物していたら
君の好きなキャラクターのハンカチを見つけた
そう言ってそれを差し出す
あなたの手から感じる愛情
『愛情』
熱なんてもう何年も出してない。
最後に熱を出したのはいつだったか。
思い返してみると、6年も前だった。
あの時、ひとりぼっちだった私は
微熱で3日休んだあと、ようやく学校に顔を出したとき誰もわたしを見向きもしないことが寂しかった。
自分がいてもいなくても何も変わらない世界を実感させられた。
何日か休むと、友達がわらわらと集まってきて、心配の言葉をもらえる、あの子に嫉妬したりした。
なんて、昔のことを思い出してちょっと笑っちゃう。
6年も経てば笑っちゃうくらい、ちっぽけな話だ。
『微熱』