別に、ない。
まず、宝物って何よ。
そんなの、人の価値観によって変わるでしょ?
自分の価値観でものを言ったら、堅物者がありえないって笑ってくるじゃない。だから私、そういうの嫌い。
そういう、人によって答えが変わって、曖昧で、その人にしか分からない思いのこもってる答えを、よく知りもしない人が薄っぺらい御託並べて貶すような。そんなの、言わない方がマシよ。
私の宝物は、私だけの宝物なの。
#宝物
また会いましょうというこの社交辞令満載の言葉に、君が何を思うかは知らないけれど、それしか言葉が浮かんでこなくて、結局みんな、八方美人。
また会いましょうというこの想いの詰まった言葉に、君が何を思うかは知らないけれど、それしか言葉が浮かんでこなくて、結局みんな、会えないまんま。
また会いましょうというこの応用が利きまくる言葉に、君が何を思うかは知らないけれど、それしか言葉が浮かんでこなくて、結局みんな、空っぽの意味。
また会いましょうというこの言葉が、君に何を思わせたのかは知らないけれど、これだけは言える。結局みんな、今を何とかしたくて、今を生きてる。ただ、それだけ。
♯また会いましょう
私
あたし
俺
僕
自分
うち
さぁ、本当は、だーれだ。
♯鏡の中の自分
どうして勝手に私の元からいなくなってるの。行かないでよ。
あなたが辛い時、1人のあなたに手紙を書いたのは誰?
あなたの苦しいことを、全部聞いて一緒に抱えたのは誰?
あなたの沈黙を、ずっと待っていたのは誰?
お願い、思い出してよ、全部、ぜんぶ、私なの。
あなたが楽になれる居場所になりたい。いつからかそう思っていた。あなたが迷わないように、一緒に泣ける私になりたい。でも、あなたは知らなかったみたい。いつの間にか、私の方があなたを居場所にしていた。
お願い、行かないで。さっきから、胸にぽっかり空いた穴が塞がらなくて、痛くて痛くてたまらないの。
♯行かないで
海の近くに旅行に来た。
海水浴を楽しんでから旅館のチェックインまで時間がある、私はお地蔵さんの絵が描かれたカフェに立ち寄った。
引き戸を開けると、瞬間にコーヒーの香り。人当たりの良い中年の男性が出迎えてくれた。ジャズピアノのbgmが程よく流れ、間接照明が暖かく照らす店内。お客は3組ほど。入った瞬間確信した、アタリだ。我ながらよく見つけた。ふふん。
深く沈んで思わず眠ってしまうのではないかと思うほど柔らかい椅子で、頼んだ抹茶ラテと珈琲ゼリーわらび餅を食べる。抹茶ラテは抹茶が濃く、程よく甘かった。ミルクが60度に設定されているそうで、冷たすぎることも無くとても飲みやすい。珈琲ゼリーわらび餅は、口に入れた瞬間きな粉の甘いさりっとした口当たり、噛めば噛むほど広がって、やがて餅の奥からゆっくりとコーヒーの香りが広がってくる。なんと贅沢なことか。
海水浴で疲れた体が糖分で癒されていくのを感じる。人にはやっぱり、ゆっくり寛ぐ時間が必要なのだ。あぁ、チェックインをもう少し遅くして、ミステリ小説でも持ってくればよかった。そうすれば、もう少しここに居れるのに。
家族と、友達と、華やかな時間を過ごすのも悪くない。だが、私にとってはこういうゆっくりと流れる時間が、蝶や花と同じくらい、大切なのだ。
#蝶よ花よ