4/17/2024, 10:00:11 AM
パチパチと薪の燃える音に、足音が混じる。
ヘラグは読んでいた本に栞を挟んで顔を上げた。
盛んな湯気と、甘い香りに目を細める。
「ありがとう」
ベスタから差し出されたホットミルクを受け取る。
はちみつの優しい甘みは、行き詰まった思考をゆっくりとほぐしていく。
「満足していただけて良かったです」
このささやかな幸せはいつまで続くのだろうか。
それはわからない。けれども、少しでも長く続いてほしいから、ヘラグは今日も戦争と向き合う。
「夢見る心」4/17