放課後。
軽音楽部の部室に行って、ゆるゆると集まって練習が始まる文化祭前。
「１ヶ月くらいしかないんだな。」
休憩中に、ふと部長がそう口にした。
「そうだぞ。お前は弾けるからいいけど、ついてく俺は大変なんだよ。」
「俺だって今回バタバタだよ。」
そんな会話を聞きながら、後輩の俺は軽くフレーズを弾く。1年以外は文化祭の演奏メンバーだから、どことなくピリついていて質問はできない。
また1人で練習を始めた。

「もっかい通すよ。誰か、撮影してて。」
私撮るよ、とさっきまで熱唱してた女の子。
「ありがとう。」
部長は照れたようにそう言った。
今の好きな人に見せる反応じゃん。

曲を何回か通して、部長から一言貰って帰る。
そんな高一の放課後。

学校が終わって家に帰る。
その間にカフェに立ち寄った。
期間限定の新作を飲みながら、幼なじみのことを考える。
中学を卒業して、高校は別々になって、しばらく会っていない。
隣の家だと言うのに何故か緊張する。
そんなことを思うのは私が大きくなったからかな。
そんなことを考える束の間の休息。

力を込めて腹を刺した。
















。






そんなことが出来ならどれだけ良かっただろう。
死にきれない私は今日も生きる。

過ぎた日を思う、バイト終わり。

巡り会いたい人は沢山いる。
勉強を一人で全教科教えてくれた人、私を音楽を通して救ってくれた人、他にも。
その人たちとは多分、ほぼ、確実に会えない。
でも、もし何かの奇跡が起きて、巡り会えたら。
あなたに伝えないことはただ一つ。
あなたのおかげで生きられています。
いつか直接伝えたいな。