5/30/2024, 1:33:07 PM
彼らは羽ばたいた
黄金の森から旅立って、北へ北へ
命に刻まれた航路を辿る
だが長い旅路は、その生だけでは辿り着けない
次々と道半ばで倒れても
その子を孫を、魂の羅針盤が導く
旅は続く、世代を越えて
やがてたどり着いた祖先の森で新たな命を芽吹かせ
再び南への旅が始まる
見たこともない南の地へ、先祖たちの黄金の森へ
繰り返される、命を越えた旅
蝶のモナーク(帝王)
死者の日に帰る魂
海の向こうでそう呼び愛される彼らの
世代を越えて繋ぎつづける
終わりなき旅
『終わりなき旅』
5/27/2024, 1:49:10 PM
地獄の門は不忍の池に溢れる蓮の影
『天国と地獄』
5/27/2024, 6:48:27 AM
ウミガメの泳ぐ宇宙は碧き海
見上げる水面に漂うは
星を透かした丸い月
月を目指して羽ばたいて
カメは願う
毎日お腹いっぱいになれますように
『月に願いを』
5/25/2024, 11:02:19 AM
ある日ぼくは旅立った
体は軽く痛みもない
風のように駆けぬけて
輝く虹の橋を渡る
この先にはどこまでも広がる草原や美しい森があるのだと、縞模様の友達が教えてくれた
でもたどり着いたのは雨降り地区
ここでは涙の雨が降る
しょっぱい雨はあなたの涙
ぼくのことを悲しんで、あなたが泣いているうちは
ぼくの雨は降り止まない
優しく撫でてくれた手も
ぼくの名を呼ぶその声も
あなたの全てがぼくは大好き
だから、どうか悲しまないで
あなたが幸せでいるのなら
ぼくの上には日が満ちる
あなたが笑ってくれるなら
ぼくの周りに花が降る
あなたがこっちへ来るときは
虹の橋のたもとまで
ぼくは必ず迎えにいくよ
だからきっとその時は
もう一度ぎゅって抱き締めて
『降りやまない雨』
5/24/2024, 3:55:41 PM
巣にかかっていたのは一羽のつばめだった
風のように飛ぶ軽い体は
クモの巣でさえ払えない
もがくほどに白い糸が絡みついていく
つがいが電線の上で呼んでいる
身動ぎも出来なくなった小さな体を
助け出したのは母だった
空は飛べないけれどクモの巣くらいは払えると
『逃れられない』