浮き草

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ある日ぼくは旅立った
体は軽く痛みもない
風のように駆けぬけて
輝く虹の橋を渡る
この先にはどこまでも広がる草原や美しい森があるのだと、縞模様の友達が教えてくれた

でもたどり着いたのは雨降り地区
ここでは涙の雨が降る
しょっぱい雨はあなたの涙
ぼくのことを悲しんで、あなたが泣いているうちは
ぼくの雨は降り止まない

優しく撫でてくれた手も
ぼくの名を呼ぶその声も
あなたの全てがぼくは大好き

だから、どうか悲しまないで

あなたが幸せでいるのなら
ぼくの上には日が満ちる
あなたが笑ってくれるなら
ぼくの周りに花が降る
あなたがこっちへ来るときは
虹の橋のたもとまで
ぼくは必ず迎えにいくよ
だからきっとその時は
もう一度ぎゅって抱き締めて

『降りやまない雨』





5/25/2024, 11:02:19 AM