3/22/2024, 9:27:08 AM
無邪気に笑っていた君は
いつしか大人になって
説明のつかない複雑な笑顔を
僕に見せる
大丈夫、大丈夫だからって
わたし結構強いんだよって
僕の手を軽く握って
駆け出すから
ふたりして
サヨナラ
さよならって
昨日に手を振ったんだ
3/16/2024, 12:09:03 AM
君の着ている濃紺のシャツに
誰かが刺繍したの
幾千もの小さな星たちを
白い糸で丁寧に
たくさんの願い星
夜空から溢れていた
君の着ている
濃紺のシャツ
3/13/2024, 1:35:31 AM
健気な君は
どこからやってきたのか
その純朴な姿は
何から生まれたのか
君を見つけた僕は
太古へと引き戻される
そして今まで生きてきたのと
同じ道をたどり直し
どこで何を捨ててきたのかを思い出す
僕は君の前に跪いて涙をこぼす
君は僕の涙を吸い込んで
長い冬を生きながらえる
3/5/2024, 2:48:25 PM
たまには違う角度から
月を見てみる
だけど月は
いつも同じ顔を僕に見せる
隠しごとは無しね
なんて、人間みたいな言葉は
君には無意味だった
だから僕は今夜も
変わらないその表情の
裏側を想像する
3/4/2024, 1:05:24 PM
君に会いたくなって
またページをめくる
本の中の少女は
君によく似ている
少し冷めた眼差しと
大人びた喋り方と
長い髪と
文章をたどればたどるほどに
君と少女は同化し
物語の中を歩きだす
自由に気ままに
僕を振り回す