『子供の頃は』
何十年生きているうちにやりたいことなんてなくなってしまった。
何が趣味だったのか、何が好きだったのか、よく分からない。
これが社会の闇なんだろう。
「あぁ、毎日これでいいのかな…」
だんだんにそう思うことが多くなった。
ふと、卒業アルバムに目が入り見てみると、懐かしい仲間たちが笑顔で写っていた。
「懐かしいな〜この頃はめちゃくちゃ楽しかったな〜」
そう思いつつペラっとめくると……
1枚の紙切れが落ちた。
それを恐る恐るみると、将来目指したいことがびっしりと書かれていた。
「あはは笑 この頃ってこういう風なことやりたかったんだ笑」
思い出してくると自然と笑えてくる。
「いつからだろ、子供の頃の目標を忘れちゃったの」
そう独り言を呟いているとひとつのメッセージがスマホにきた。
それは、昔の友達からだった。
その内容は…
【子供の頃みたいにはっちゃけてみない?】
私は、クスッと笑って
【いいよ!あの時みたいにはっちゃけよ!】
と返事を送った。
席を立ったその机には、笑顔で写った写真が広がっていた。
「日常」
いつもの日常はつまらない。
刺激が足りないのか、毎日同じことの繰り返しなことがつまらない。
ハプニングとかイベントとかなにかあったらいいなと毎日のように思う。
そして今日も…「今日は何かあるといいな〜」と思っている。
毎日、考えることと言えば(今日はこの授業があるな〜)とか(今日はこのゲームをやろうかな〜)とか平和なことしか考えてない。
それがまた、いい事に気づかず今日も学校に行く。
学校に行くと驚く事件が起きていた。
クラスメイトの1人が行方不明らしい。
それを聞いた俺は背がゾッとした。
(え、嘘でしょ。なんで急に)と頭が追いつかない。
その日は、緊張感のある学校になった。
次の日、また次の日と過ぎていくと同時にひとりひとりクラスメイトがいなくなる。たまにほかのクラスや違う学年の人がいなくなる。
あまりにも怖すぎる。
その時俺は思った。
【あの時の平和な日常って素晴らしいことなんだな】と。
そして、今日は俺が行方不明になった
『好きな色』
私は青が好きだ。空や海、推しのメンバーカラー、何でも青が関係している。
そんな青が好きだ。
だから身の回りのものもその色にしてしまう。スマホや車、ペンや服など色々青関係の色にしてしまう。
そんな私は青以外にも好きな色がある。
それは「白」だ。
白が好きだけど、青に囚われてしまう。白いものも欲しいけど手に取るのは青色だ。
そんな自分が怖い。本当に青が好きなのか、青も好きだけど同じぐらいに好きな色がまだあるんじゃないかと。
そう悩みながらまた私は青いものを買っている
『あなたがいたから』
最近、俺は母さんを失った。
急な事だった。頭が追いつかなかった。その時は人生で一番に泣いたと思う。
生きる意味とは・・・
今年から社会人として出るはずだったのにこんな気持ちで過ごさないと行けない・・・そう思っていた。
でも、唯一生きる意味を持つものがある。
それは『彼女』だった。彼女の励ましや慰めなどいつも心にしみた。数年経っても彼女がいたから、いや「あなたがいたから生きる楽しさを感じることができるだろう」そう、あなた本人が隣にいるところで呟いた。
彼女は「どうかしたの?」と言っていたが
俺は「いいや、なんでもない」と何気ない会話を家の中でしていた
『相合傘』
学校帰りにふと空を見ると「ポツリ、ポツリ」と雨が降ってきた。
傘を忘れた彼女は彼氏に入れてもらおうと頼みに行こうとしたその時・・・
目の前には決して知らない人では無い親友と彼氏が一緒に歩いているのを見てしまった。
「あぁ神様、こうなることを予想してこのような土砂降りの雨にしたのですか?」と思いながら静かに帰って行った