「ジャングルジム」
あの時は1番上に登れた者が王者だった
よく王者になっていたから
友人をこき使いまくっていた
嫌われていたかもしれないが
悔しかったら自分より先に
1番上に登ればいいのにと思っていた
あれから時は経ち
社会人になった
色んな人からこき使われる側になった
立場が変わったからわかる
とても辛い
自分はこんなにも酷いことをしていたのか
今さら謝ることも出来なければ
この状況から抜け出す術もない
帰りにあのジャングルジムのある公園に寄ってみた
まだあるんだ…
久しぶりに登ってみた
体が重くなったからか
なかなか上に登れない
これを軽々と登っていたんだな
頂上まで登って
座ってみる
懐かしい景色に涙がこぼれた
「声が聞こえる」
最近、声が聞こえる
励ましてくれたり
怒ってくれたり
時には子守唄を歌ってくれたり
どこかで聞いたことある声なんだけど
思い出せない…
ある日
押し入れを整理していたら
1本のビデオテープがみつかった
タイトルはわからない
まだ家にビデオデッキがあったので
再生してみることにした
画面にうつるのは
家族で遊園地に行った時の映像
懐かしいなぁ…
これ、お母さんが亡くなる前に行ったんだよね
お母さんの声、今まで忘れてた
思い出せてよかった…
あれ?
お母さんの声、最近聞こえる声と違う…
あの声、一体誰の声?
お母さんだと思っていたのに…
「カレンダー」
この日はあなたと水族館に行った日
ここで、告白されて付き合ったっけ
この日はあなたと遊園地に行った日
くだらない事で喧嘩して2人で大泣きしたよね
お互い顔真っ赤にして乗ったアトラクション、今でも覚えてる
この日は私の誕生日
サプライズで貰ったくまさんのぬいぐるみ、毎日一緒に寝てるの
この日は彼の誕生日
私もサプライズしてみたの
頑張って作った、浮気の証拠を押さえたムービー喜んでくれたかな?
この日は温泉旅行に行った日
あの子と行ったところ全部まわって上書きしたの
これで私との思い出になったね
この日はとーっても大事な日
彼がね、やっと私だけのものになったの
くまさんの着ぐるみ着て私と一緒に寝るようになって幸せ
カレンダーは彼との思い出がいーっぱい
来年のカレンダーも思い出いーっぱいにしようね
「踊るように」
ぎこちないフォークダンスのように
あなたの事を知っていき
ワルツのようにそっと寄り添って
ルンバのように情熱的に愛し合い
時にはブレイクダンスのように激しくぶつかって
色々な曲を踊るようにあなたとの人生を歩みたい
「向かい合わせ」
私の目の前に座っているあなた
私の大好きなトマトは食べられないし
音楽の趣味は正反対
服の好みも真逆なんだよね
私は色んなところに出かけたいのに
あなたは家にいたいという
まるで向かい合わせ
でも
一緒にいるとなぜか落ち着くの
とっても不思議
今日は仕方がないから
あなたの好きなことをして一緒に過ごしてあげる