秋茸梓樹

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7/26/2024, 2:31:28 PM

「誰かのためになるならば」

あっ、ゴミ落ちてる。拾ってゴミ箱に捨てよ。

看板倒れてる。立て直しておこう。

不安定なところに植木鉢がある。危ないから安定した所に置いておこう。

...誰かのためになるかはわからないけど、しといた方がいいよね。もし、事故になっちゃったら大変だもん。気分もスッキリするし。



...あれ?ここら辺で落としたはずなんだけど。
ファイルに保管しようと思ってた超レアなグミの袋...あれ、二度と手に入らないかもしれないのに...

あっ!看板誰かが立て直されてる!!
どうりで人が入ってくると思った。内装をちょっと変えるために外に退けたのに。しかも、怒られちゃったじゃない。

ん?上に置いてた植木鉢がなんであんな所に?
これじゃ、僕の芸術作品が台無しだ...。
そこに接着剤ついてたから、ここから離すこともできないし...どうしよう。



誰かのためになるかもしれないことは、誰かの邪魔をしていることになるかもしれない。

そっとしておくのも大事。

7/25/2024, 4:10:40 PM

「鳥かご」

私は外の世界のことを知らない。

外の世界の景色はみえる。
でも、どういうところなのか知らない。

誰も外の世界のことは教えてくれない。
聞こうとすると嫌な顔をされてはぐらかされる。

まるで、鳥かごの中にいるみたい。


私は外の世界が気になる。
みた感じだと、とっても楽しそう。
キラキラしてて、明るくて、ポカポカしてて。
外の世界に行きたい。
どんなところか分からないけれど、ワクワクする。
どうすれば行けるのかずっと考えていた。


ある日、ドアが開いていた。
ここから、外の世界に行けるのではないか。
行ってもいいのかな?
ちょっとお散歩するだけ。
私は外の世界に飛び出した。


出た瞬間、見知らぬ人に踏み潰された。
ぐちゃぐちゃになった。
見知らぬ人はコチラを一度も見ずに去っていった。


外の世界は、思ったより明るくなかった。
キラキラしていない、暗い、ポカポカしていない。
どうして、誰も外の世界のことを教えてくれなかったのか、いま分かった。

あそこにいれば、こんなこと知らずに済んだ。
あそこにいれば、ぐちゃぐちゃにならなかった。

私は愚か者だ。
鳥かごの中にいれば、幸せだったのに。
助けて...。

ここで、目の前が真っ暗になった。

7/23/2024, 2:11:56 PM

「花咲いて」

ぱっと花が咲いたように笑うキミ。

カスミ草みたいな笑顔だね。
素敵だよ。

僕、なにかしたっけ?
...あぁ、僕もキミに感謝しているよ。

キミは色々な花みたいな表情をする。

おや?
ホオズキみたいな笑顔をしてる。
...無理してないかい?
僕でよければ話してごらん。

自分に嘘をつかないで。
どんなキミも僕は受け入れるよ。

色々な花みたいな表情をするキミが大好きなんだからさ。

7/22/2024, 1:22:31 PM

「もしタイムマシンがあったら」


タイムマシンがあったら、過去や未来じゃなく並行世界にも行けるのだろうか。

いじめられなかった世界線。
第1志望に受かった世界線。
今でも忘れられないあの人と結婚した世界線。

もし、行けるのなら今の世界線から抜け出したい。
もうこんな人生嫌だ。

並行世界にいる自分を殺して、今度こそ人生を謳歌するんだ。
幸せになりたい。



7/21/2024, 2:46:07 PM

『ないものねだり』

「あの子のペンケース可愛いなぁ、欲しいなぁ」

「あいつ、1年なのにレギュラーに選ばれたんだって。俺もあいつみたいな才能欲しいよ」

「なんであの人にはスパダリな彼氏がすぐできて、私はまだひとりも彼氏ができないの?あの人みたいにモテたい」

......

他人のいいところがいっぱい見えてしまう。
あれもいいな、これもいいな。
ないものねだりしてませんか?

...ここだけの話、あなたにもいいところがいっぱいあるんですよ。
知ってました?

それに...あなたのことを羨ましく思っている人がじつはいるんですよ。

たまには自分のこともみてあげてください。
今まで気づかなかったいいところ、誰かが欲しいと思うようなところ、案外あるものですよ。



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