██に手をかけて……
グッと力を込めて……
自分の脈と、相手の脈の速度がすれ違って……
僕は興奮して、
相手はの顔はぐちゃぐちゃに乱れて、
その一部始終を見ていた第三者は、
ニッコリ笑いながら涙を流していた。
そんな過去の話を思い出した、今日この頃。
〜過ぎた日を思う〜
〜力を込めて〜
「あ!見て見て!!空にお星様がいっぱいだぁ〜」
「あっそ。ま、俺にはどーでもいいけど」
……あー可愛い。
もうすんごく可愛い。
あの、わたあめみたいに、こう、ふわって感じの笑い方がもう本当に好き。
「ね、あれ何座か知ってる?」
「は?知らねーし……」
うわー!!首傾げながら聞いてくるとか、反則すぎだろー!!可愛すぎるってぇぇぇ!!
「ちょっと、聞いてる?おーい」
「はーーい!!……って、あ」
や、やべぇ……!やらかした……!
つい心の中のテンションで言っちまった……!!
いや、まだいける、落ち着け……
「……なんだよ」
「あれ?さっきはすごく元気に返事してくれたのに、またいつもみたいに戻っちゃった……私的にはさっきの方が良かったのになぁ」
……もうカッコつけて、クールぶるのやめよ。
〜星座〜
さらり、となびく艶やかな黒髪に、
控えめに飾られる青い薔薇のコサージュ。
このパーティー会場で目立つと言ったら、そうでは無い部類。
煌びやかなアクセサリーは身に付けておらず、
全体が落ち着いた暗めの青でまとめられている。
――そんな彼女を遠目で見ていた時。
コッコッコッとヒールを鳴らして、急ぎ足で来る彼女。
しかも、僕に向かって。
そして目の前に着くなり一言。
「私と一緒に踊りませんか?」
ちょっと息を切らしながら、柔らかく笑う彼女。
僕はすかさず答えた。
「喜んで」
〜踊りませんか?〜
私はずっと願い続けている。
もう一度あなたと巡り会うことを。
そして、触れ合えることを……
〜巡り会えたら〜
夕日が沈みそうな、
柿色の空。
僕は一人、家の窓辺で頬杖をついていた。
「今日は全然いいこと無かった」って、
一人反省会。
ため息をついてしまう。
あぁ、幸せが逃げて行ってしまうよ。
〜たそがれ〜