窓から一番近いところ。
そこが私のベッド。
居心地の悪いベッド。
私が生きられるのは、あと一年。
その隣のおじいさんは、あと半年。
隣のおじいさんから、笑い声が聞こえてきた。
テレビの音が聞こえる。
私の顔は常に無表情。
テレビなんて雑音が流れる無機質なものに過ぎない。
あ、目の前の彼が微笑んだ。
私の顔を見て微笑んだ。
手を振られた。
そんな彼が生きられるのは、あと数ヶ月。
あぁ、あなたともっと早く出会えていたら、私は……
〜病室〜
外に出たって、なんもいい事ない。
怖いものだらけだ。
動物も植物も、みんなみんな嫌だ。
だから、灰色の家の中で、ただ一人でいたい。
だけと、
見ている。
わたしのママが。
「外は楽しいところだよ」って。
もういないはずなのに。
瞳は優しい。
ママ……
分かった。
今日は雨だから、明日、もし晴れたら行くよ。
怖いものだらけの外の世界へ。
〜だから、一人でいたい〜
〜明日、もし晴れたら〜
キミの瞳は、とってもキラキラ輝いてるね!!
ボクね、キミを眺めているのが大好きなんだ。
あ、別に変な意味じゃないよ?
うん。
本当の本当に澄んでるから、透明になって消えちゃいそうなくらいに、澄み切っているから、
惹き込まれていくんだ。
〜澄んだ瞳〜
私たちは続ける。
この街を復興するために。
願いを込めて、大声で叫べ。
たとえ雨が降っても、嵐が来ても、
私たちはずっと続ける。
やめることなんて、
あってはならない。
〜お祭り〜
〜嵐が来ようとも〜
昔のこと、とあるふたつの国があった。
裕福な国の神様は、国民たちに向けてこう言った。
「裕福なお前たちには、もっともっと富を与えよう。それで、貧しい者たちを必ず救ってやるのだ」
貧乏な国の神様は、国民たちに向けてこう言った。
「貧乏なお前たちには、もっともっと貧を与えよう。それで、裕福な者たちからお恵みを分けてもらうのだ」
両国民はそれぞれ、神のお告げに従うことにした。
全くもってその通りにした。
それからこのふたつの国はどうなったのでしょうか――
後はご想像にお任せします。
〜神様が舞い降りてきて、こう言った。〜