ボクは、ここで日向ぼっこをするのが大好きだ。
日差しがポカポカと差し込んできて、気持ちいいから。
それに、この家のご主人様はとっても優しいんだ。
一緒に遊んでくれるし、美味しいご飯も食べさせてくれる。
――あ!ご主人様!!
あ……ナデナデ気持ちいいです……
にゃぁ〜……
〜日差し〜
病室の窓から見えるのは、一本の樹木だ。
とっても、とっても大きい。
あの木が季節の移り変わりを表してくれる。
青々とした葉っぱが、赤や黄色に染まって、枯れていって、また葉っぱが茂ってくる。
病室で寝たきりの状態のあたしは、この変化を見るのが好きだった。
あたしが退院できるのは、葉っぱが青くなってから!
あともう少しだよね。
頑張ろ!!
〜窓越しに見えるのは〜
私達は、繋がってるの。
運命の赤い糸で。
だから、貴方と私は、将来結婚して、幸せな家庭を築くの!!
……え?他の人と付き合ってはいけないのって?
ふふっ……何言ってるの。もちろんダメに決まってるじゃない。
他の人のところに行くなんて、絶対、絶対に許さないんだから……
分かった?♡
〜赤い糸〜
自分の息子と一緒に見た入道雲。
もくもくと大きかった。
それを見た息子は、
「おっきいわたあめみたい!」
と言って、はしゃいでいた。
私も「そうだね」と言って、微笑んだ。
こんなふうに笑い合えるって、幸せだと思う。
そんな幸せが、日常に溢れているって、素晴らしいことだと思うんだ。
〜入道雲〜
僕の手元にあるのは、一本のラムネ瓶。
海に行く途中にある、僕がよく知っているおばちゃんが営んでいるお店で買った。
おまけで雨も一個くれた。
外はカラッと晴れていて、蝉がひっきりなしに鳴いている。
この時期は、海に限る。
僕は波打ち際まで走り、肺いっぱいに潮の香りを吸い込む。
僕の大好きな匂いだ。
そして、そこでさっき買ったラムネを一気に飲む。
んー、爽快爽快。
空っぽになった瓶を、望遠鏡のようにして持ち、そこから外の景色を覗く。
さっきとはまた違った景色が見られるから、面白いんだよね。
〜夏〜