神様、どうか叶えられるのなら、
私のおっきなわがままを聞いてはいただけないでしょうか。
私はずっと、一つの大樹のもとで祈り続けているのです。
この世が平和になるように。
私はもう見たくないのです。
醜い争いを、そのせいで投げられる命を。
こんなこと、誰も望んでいないのです。
私の命を賭すのは別に構いません。
それで安楽に生きられるのなら、みんなが笑顔になるのなら……
覺悟はできています。
ですからどうか、この世を平和にしてください。
〜神様へ〜
どうして今日はこんなにも天気がいいの?
今の私の心ってば、土砂降りの雨なのに。
今日の放課後、好きな子を呼び出して告白したけど、
失敗したし。
帰る時、石につまずいて転んだし。
自分の家の近くの犬も、ワンワンうるさいし、怖いし!
はぁー……もうやだやだ。
あの眩しくて暑っつい太陽が、私のグズグズになった地面を乾かしてくれたらいいのに。
あのもふもふの雲が、私の雨を残らず吸収してくれたらいいのに。
〜快晴〜
遥か彼方、遠くの空へ、想いを馳せて
もう何年経ったでしょうか。
貴方に恋い焦がれて
もう何年経ったでしょうか。
なんだか、不思議。
皆同じ空を見上げているはずなのに、
こんなにも離れていると感じてしまうなんて。
――嗚呼。早く会いたい。
会って貴方といっぱいお喋りしたい。お出かけしたい。
ファーストキスもかっさらって欲しい。
……でもまずは、一緒にこの広い広い空を見上げたい。
〜遠くの空へ〜
「ありがとう」
「ごめんなさい」
このたった数文字の羅列を自分は口にできない。
素直に言える人って、羨ましいと思う。
自分ってば、
やれ気まずいだの、
やれ気恥ずかしいだの。
ほんと、やんなっちゃう。
あーぁ、いつんなったらちゃんと言えるんだろう。
まだまだ果てしなく遠い気がするが……
〜言葉にできない〜
桜が辺り一面に咲きほこる季節。
僕はあなたの後ろ姿だけで、恋に落ちてしまいました。
黒い艶のあるストレートのロングヘアーに、
スリムな身体。
ベージュ色のトレンチコートともに、春風に靡く髪は、なんと言い表したらいいのか分からないくらい、とても美しかったのです。
今日もまた、駅の付近の桃色に色づく大樹の下に、あの人がいます。
日差しが花の隙間から入り込み、より一層艶やかに光っています。
そんな僕は今日、勇気を振り絞って話しかけてみようと思います。
少しでも積極的に、自分からアプローチしていかなければ。
〜春爛漫〜