私は今日、
この思い出の詰まった場所――いや、校舎で、
鳥になる。
……あ、いや、リアルの鳥じゃないよ?
私自身、そんな羽ばたける人間じゃないから。
あーあ、ほんと、ここにはお世話になったよ。
もう廃校舎だけどね。
今、あいつら何してんだろ。
私の顔見て、陰口言って。
私の物隠して、壊して、散々笑って。
……あぁ、時には、校舎裏で脅してたよね。
『お金ちょーだい』って。
今も誰かにそんなにくだらないことしてんのかな。
まぁ、今の私にとってはもうどうでもいいんだけど。
もう、この世から消えるんだし。
バイバイ、ほんのちょっとの私の友達。
じゃあね、私を育ててくれた校舎。
私は屋上から飛び立つ。
そして、雲ひとつない大空へ……
〜この場所で〜
誰もがみんな、あなたと同じなんじゃない。
人それぞれ個性があるから、
人間って、そうでいいと思うんだ。
だから、あなた基準で決めないで欲しい。
文句を言わないで欲しい。
〜誰もがみんな〜
「ねぇねぇママ!きょうね、こうえんではなたばつくったの!!」
シロツメクサとたんぽぽとわたげ!
きれいでしょ〜
「ねぇお母さん、これプレゼント。いつもありがとう」
カーネーションの花束。
いつも頑張ってるお母さんに、サプライズだ。
驚いてくれて、良かった。
「……お母さん」
お母さんが一番大好きな向日葵の花束。
空の上でも元気にやってるかな。
どうか、いつまでも私を見守っていてください。
それに応えるように、向日葵がさわさわと揺れた。
〜花束〜
ワタシは、『笑顔で世界は平和になる』と、信じている。
だから、今日も笑顔を忘れない。
ニコニコ笑顔を。
みんなに振りまくんだ。
もしそれで、幸せになってくれるのなら、
元気になってくれるのなら、
ワタシはとっても嬉しい。
……たとえ、どんなことをされていても、ネ。
〜スマイル〜
自分には、裏の顔がある。
いや、違う。
裏の裏の顔がある。
いや。
裏の裏の裏の……顔がある。
自分しか知らない顔。
みんなみんな知らない顔。
あの子よりも、その子よりも、深い深い闇を持っている気がするの。
そう思うと、なんだか寂しくなる。
誰にも共感されない苦しみ。
その反面で、なんだか誇らしくなる。
自分『だけ』だから。
あとは〜……これがいちばん重要かも。
▓▓▓▓▓▓▓▓人がほしい。
〜どこにも書けないこと〜