今日は、お菓子がいっぱいの街へ来た
建物が全部お菓子で、流れている川はジュース!
クッキーにチョコレート、キャンディー……
歩いているだけでもお腹が満たされた
その次の日は、お花がいっぱいの街へ来た
辺り一面が全部お花で囲まれてるの!
チューリップにひまわり、コスモス……
季節はバラバラだけど、とてもきれいだった
――さて、明日はどんな街へ出るのかな?
たくさんの人がいて、いろんな高い建物が並んで、どこか息苦しいあの『街』には、どうか出ないでほしい。
自分が嫌だから。
だから、もう少し、幻想を見させてほしいな。
〜街へ〜
『悪者になって、殺される。
でもそれは、世界が平和になるために。
みんなのために明日を創る。』
そして、
『悪を討った英雄は生き残り、賞賛される。
彼の騎士となり剣となった。
彼の創った明日を守る。』
嘘つきで、優しかったからこそ、こんな事が出来た。
色々あったけど、最終的には託された。
「二人いればできないことなんてない」
そんな二人の関係が羨ましくて、尊い。
〜優しさ〜
真夜中、
俺の背中には翼が生える
漆黒に染まった、渇いた翼で、
この暗闇を切り裂くように飛ぶ
真夜中、
私の背中には翼が生える
純白の、美しく輝く翼で、
この夜空に明るさをもたらすように飛ぶ
このふたりが交わった時、この空、いや世界は――
〜ミッドナイト〜
安心、する場所なんて、人なんてない。
私にあるのは、不安の塊だけ。
そうなるつもりだった。
私は、あなたに出会ってから変わった。
あなたが喋るから、私も喋った。
あなたが泣くから、私も泣いた。
あなたが笑うから、私も笑った。
あなたは色んなことを教えてくれた。
なぜだか知らないけど、あなたがそばにいると、私は安心するの。
だから、今度は私の番。
絶対にあなたを幸せにしてみせる。
私の命が尽きるまで、全てをあなたに注ぐから。
〜安心と不安〜
誰?
あなたは誰なの?
人影に向かって問いを投げる。
影は何を言わずに、ただじっとそこに立っている。
ねぇ、いい加減教えてよ!
ずっとあたしの夢の中に出てきてさ!
一体何がしたいわけ……?
影の背後には、真っ白な光。直視できないほど眩しい。あたしは俯き、ひたすらに言葉を続けた。
すると、その思い伝わったのか、最初に出てきた言葉は――
『前を見て、歩んでいきなさい』
そう言われた途端、急にあの光に、影ごと包み込まれた。あたしは思いっきり目を瞑る。
そして、目を開けたならば、見慣れた天井。
あれ以来、あたしはあの人影の夢を一切見なくなった。
あれは一体誰だったのだろうか。
〜逆光〜