・思い浮かばなかったので曲パロです。
題名:カラクリ逃亡劇 作:夏山よつぎ
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これは、私の物語。
開演の合図がなってから、幕が閉じるまでの。
長くて短い、私の人生。
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うまれたときから、へいたいさんがいっぱいいた。
きょうもへいたいさんは、あっちにいったりこっちに行ったり。
「たのしそう、わたしもまぜて!」
でも、だれもわたしをまぜてくれなかった。
ひどいよ、みんな。
わたしだって、みんなとあそびたいのに。
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「お母さまなんかきらい!!」
そう言って、うら口から外に出た。
だって、お母さまがわるいんだもん。
わたしのこと、お外に出してくれないから。
わたしだって、お外にいってあそびたいのに。
はしって、はしった。
気がついたら、知らないばしょにいた。
絵本で見たまち。
だけど、ひとがいない。
なんでみんないないの……?
これじゃ、わたしとあそべないじゃん……。
「ここにいると、あぶないよ」
こえがきこえた。だれかいるんだ!
「こっち!」
まがりかどをまがったら、手を出された。
手をつなぐと、ひっぱられる。
いつのまにか、お空にはひこうきがとんでる。
ひこうき、はじめて見た。
「大丈夫?」
「うん! 大丈夫! それよりいっしょにあそぼ!」
「……うん!」
「ねぇ、名前、なんていうの?」
「ぼく? ぼくは××!」
「××くん! 覚えたよ!」
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あれから15年。終戦は、来なかった。
今も、沢山の兵士が戦いに出て、勝って、敗れて。
10年前に見たものの正体がすべてわかった。
……いい気ではない。
お父様方は、言うんだ。
「これは正しい戦争だ」
って。
隣の国との戦争は、おさまるどころか激しくなる一方。
あの少年は、無事だろうか。
また、会いたい。
でも、名前忘れちゃったから。
きっと、会っても気が付かない。
……。
「あぁロミオ! ロミオよ! 貴方はどうしてロミオなの? そのロミオという名前をお捨てになって! そうしたらわたしも、この名前を捨てるわ!」
うろ覚えの『ロミオとジュリエット』。
すごく感動したの、ジュリエットの考え方に。
多分私は、彼のことが好きなんだ。
だから、きっと……。
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ラブレターを送った。
10年前の、あのときの絵を描いて。
でも、いつまで経っても返ってこない。
あたりまえよ。こんな戦争の中じゃ。
きっともう、灰になっているわ。
もう、会うことは出来ない。
すごく、悲しい。
でも、仕方ないのよ。
愛じゃ国境は越えられないの。
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「返ってきた! 本当に、彼からなのね!」
手紙には、告白の返事、戦争について。
そして、最後の1文。
『僕等が奪い合って手に入れた物ってなんだろう』
この文が、頭から離れない。
この文がいつも、頭をよぎるの。
やっぱりこの戦争は、正しくなんてない。
今だって、人が亡くなっているんだもの。
この戦争は、早く終わらせなくちゃいけない。
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「いい加減認めて!! この戦争を続けてたってなんの利益もないの!!」
でも、両親も誰も認めてくれない。
もう、諦めよう。
戦争を終わらせられないのなら、私と彼で幸せになってみせる。
でも、ここにいるだけじゃ幸せが掴めないのなら。
家を飛び出る。
周りは血の海。
今まで見ないようにしてきた現実。
少しだけ記憶のある景色につく。
「君達!! 早く!!」
懐かしい顔が見える。
あぁ、貴方は何1つ変わっていない。
初めて会った、あの日のままだ。
「ずっと、貴方に会いたかった」