ゆらぎ

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4/13/2025, 10:29:05 AM

その家では、私はいないものとされていました

朝起こされることも
私の前に食器が並ぶことも
ありませんでした

風景の一部となった私は、自由に暮らしました
何処までも飛べるような気がしたし
何にだってなれる気がしました

けれどその気持ちに反して
家から出ることは叶いませんでした


今月も、花を眺めながらお菓子が手に入る日が来ました
来月はどんなお花が届くかな

4/11/2025, 2:31:02 PM

君と僕は同じものを見ていると思っていました

僕はふたつに切り分けて、一緒だねと言いました

君はまだ不満そうでした

僕はまたふたつに切り分けて、今度こそ一緒だねと言いました

君はそれでも不満そうでした

僕はまたふたつに切り分けて、今度こそ一緒だねと言いました

君は目を伏せました

僕は最後にふたつに切り分けきれませんでした

君はもうこちらを見ていない

君と僕は同じものを見ていると思っていました

4/10/2025, 1:12:03 PM

足元には点々と溶けた蝋と、その3文字がありました

どうやら空を飛ぼうとしたようです


シュノーケルと、その3文字がありました

どうやら海の底を見に行ったようです


丁寧に揃えた靴と、その3文字がありました

どうやら開放されたようです

4/9/2025, 12:37:56 PM

長らく連絡をとっていないけれど
ふとした時に思い出す人、いますよね

思い出せてるということは、多分顔と名前が一致していますね

それで、思い出せなかった人たちは
今、どうしてるんでしょうね

4/8/2025, 11:28:44 AM

どういう形で終えるか
自分との遠い約束を考えたことがあります

そこで、こうありたいと思ったのは
やはり家族に囲まれた姿

この世から持っていけるものが思い出だけなら
いくら稼ごうが仕事で出世しようが
最後に残るとは限らない

優先順位を常に見誤らないように
生きたいものです

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