大勢いてもだけど、二人だけの時も緊張する。
数人いる所で何度か話して、自分の中で知り合いくらいにはなっていたはずなのに、二人だけだと分かった瞬間、緊張して、顔が赤くなるのが自分でも分かった。
彼のことを意識してたわけではない、たぶんこれは人見知りのせいだと思うことにした。
夏は和菓子屋さんで夏限定でかき氷を出している。
値段は結構高いけど、出されたかき氷見ると納得する値段だった。
大きなかき氷で、食べるとふわりとして、さらりと溶ける。
地元産の様々な果物が使われていて、贅沢だなと思った。
母は毎年、そのかき氷を楽しみにしている。
隠された真実を暴こうとするのはよくないと経験上知っている。
私の姉は秘密主義者でミステリアスな人だ。
母が姉に電話で一緒に出掛けようと誘ったけど、用事があると断られて、姉に何の用事か何度訊いても言ってくれなかったらしい。
私は姉に、忘れっぽいから聞いてもすぐ忘れるから教えてと言って、姉から教えてもらった。
数年経って、母はまたその時の用事について姉に訊いてみたらしいが、やっぱり教えてくれなくて、母は母親にも言ってくれないなんてミステリアスすぎると嘆いていた。
私は数年経っても姉が言ったことを覚えていたけど、忘れた振り、知らない振りを続けている。
風鈴を窓際に吊るして、風がなかったので、指で触って音を鳴らした。
きれいな音がする。
風鈴の音が好きなので、気が向いた時に指で触って音を鳴らしている。
オハグロトンボが家の中に入ってきて、風鈴に止まった時、どっちもきれいだなとじっくり観察した。
いつも心だけ逃避行している。
それなのに、ひどいことを言われた時に咄嗟に逃避行出来ないで、そのまま受けとめて、傷付く。
そういう時にこそ、心だけ逃避行出来たらいいのにと思う。
きっと、無意識に話を聞こうと思ってしまうから、出来ないのだ。