公園で君と一緒に二人で砂遊びをした。
次の日に「あの子と付き合ってるの?」と同級生に訊かれて、何で急にそんなことを?と思って詳しく聞いたら、同級生は二人で砂遊びをしていたところを見たと言った。
「違うよ、遊んでただけだよ」と言ったら、「冗談だよ、からかっただけ」と同級生は笑った。
その後、幼馴染みだったはずの君と一緒に遊んだ記憶がないのは、同級生にからかわれて気まずい気持ちになってしまったからなのだろうか。
それすら覚えていない。
「明日は雨が降るよ」と言ったら、「なんで分かるの?」と前を向いていた彼女がこちらを向き、不思議そうに訊いた。
空に向かって指を差しながら、「あそこに飛行機雲があるでしょ?飛行機雲がすぐに消えないで、長い時間残ってると、明日は雨なんだって」と教えると、「へぇ、知らなかった」と彼女が感心したように言った。
本当は言わないで、彼女が毎回驚く姿が見たかったんだけど、頭の良い彼女にも知らないことがあるのだと思ったら、つい教えてしまっていた。
同じ学校に進むのだと思っていた友達が、違う学校に進んだ。
遊ぶ約束をして、行ったら、その学校で友達になったという子を紹介された。
「はじめまして」と言ったその子は、活発で明るそうな感じで、何だか友達と合わない気がした。
そう思ったのは友達に友達を紹介されて、複雑な気持ちになったからなのだと思った。
数ヶ月たって、その子は友達を無視するようになったらしいと知り合いから聞いた。
私と会ったからだろうかと思い悩んだ。
「またね!」と小さく手を振りながら言う姿に応えない。
初めて会って喋ったのに、会ってから1時間以内で、胸を触ってきたり、キスしようとしてくる男なんかに、「またね」なんて言い返すわけがないだろうと思った。
その時は頭が真っ白になって何も出来なかったが、今ならぶん殴っている。
春になって暖かい風が吹くようになっても、日陰に積もった雪はまだ残っていて、もう外はぽかぽかと暖かいのにと、学校に行って、その溶けない雪を見るたびに思っていた。
暖かくなった途端、冬の寒さを忘れて、少し残った雪をまだ溶けないでほしいと願ってしまう。