光り輝く宝石のような星々。
夜空を越えた先に、こんな綺麗な光景が見れるとは……。
途中で闇に呑み込まれそうになったが、なんとか回避することに成功した。
空に浮きながら星を間近で見れるなんて最高だ。
「おや?君、ここへ来てしまったのか」
背中に白い翼が生えた子供が話しかけてきた。
頭の上には、天使の輪がある。
「まさか闇を越えてくるとは……しかもまだ生きてる人間が……」
天使は舐めるようにこっちを見ている。
「生きたままここへ来たなら仕方ない。君は死人扱いとする」
天使の言っている意味が分からず、困惑してしまう。
「ここは天国。本来なら死んだ者が来る場所だけど、来てしまったなら死人になってもらうしかない」
天使は一瞬でこっちにワープし、刃物のようなもので胸を刺してきた。
一瞬過ぎて避けれず、目の前が少しずつ闇に呑み込まれていく。
「悪いけど君は地獄行きだ」
最後に聞こえたのは嫌な知らせだった。
冷たい手を温めてくれるカイロ。
ぬくもりといえば、小学生の運動会でやった二人一組で踊るダンスを思い出す。
俺は女子とペアで、多分女子の手を人生で初めて握ったと思う。
柔らかくて、温かかったなぁ……。
女子の名前は忘れちゃったけど、可愛かった記憶がある。
きっと大人になった今、もっと可愛くなっているだろう。
さて、手が温もったことだし、同窓会の会場へ行くか。
「あれ?もしかして田中君?久しぶり!変わってないね!」
会場に着くと、可愛らしい女性に話しかけられた。
今日は今年一番寒い登校の朝。
こんな日に限って手袋をするのを忘れてきてしまった。
手が冷えて、凍ってしまったかのような感覚だ。
「うぃーっす。って、手を擦ってなにしてるんだ?」
同じクラスの鈴木君が、ポケットに両手を入れながら話しかけてきた。
「手袋忘れちゃって……擦って温めてるの」
「ふーん、じゃあこれ使いなよ」
鈴木君はポケットから手袋を出して、私に差し出した。
「え?でもこれ、鈴木君のじゃ……」
「手袋着けてるとなんか手がかゆくなるんだよなー。だからポケットに手を入れて温めてるんだよ」
だからポケットに両手を入れていたんだ。
「せっかくだから借りようかなぁ」
「おう、あとで返してくれたらいいから」
鈴木君から手袋を受け取り、早速両手に着ける。
手袋は大きくて、すごく温かい。
「今日は一限目から歴史の授業かー。だりぃなぁ」
「鈴木君いつも寝てるじゃん」
世間話をしながら、鈴木君と一緒に学校へ向かった。
どこまでも続いている真っ白の雪原。
昨夜雪が降ったらしく、一夜で白い世界へと変わった。
看板が立っているが、雪で埋もれていて読めない。
ここを通れば、次の町まで近道出来ると商人に教えてもらった。
よし!雪原を通って次の町へ――。
「こら!そこの若いの!」
雪原に一歩足を入れた瞬間、爺さんに止められる。
「ここは先は立ち入り禁止じゃ!看板に書いてあるじゃろ!」
「看板?」
爺さんは雪で埋もれた看板に指を指す。
手で雪を除けて看板を見ると、確かに立ち入り禁止と書いている。
どうやら、近道は使えないらしい。
他の道を通るにしても、雪が溶けてからのほうがいいかもな……。
仕方なく、来た道を引き返す。
「若いの!そっちは迷いの森だぞ!反対方向じゃ!」
爺さんに言われ、慌てて向きを変えて歩く。
雪で方向感覚がマヒしているのかもしれない。
雪が積もった時に出歩くのは、やめておこう……。
息を吐くたび出る、白い吐息。
今日は一段と寒い日だ。
こうして自分の白い息を見ると、生きてるって感じがする。
……暖かくしたつもりだが、寒い。
ブルブルと身体が震える。
じーっと待っているのは辛いなぁ。
まぁ、こうして寒くて震えてるのも、生きてるって証拠。
早く来ないかなぁ……。
「ごめんごめん!お待たせ!」
白い息を吐きながら、彼氏が走ってきた。
「寒くて凍っちゃうかと思ったよぉ」
私は息を切らす彼氏に、冗談混じりで白い息を吐きながら言い返す。
お互いの白い吐息が交差し、交わる。
この光景は冬にしか見れないから、私は好きだ。