たーくん。

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4/28/2025, 3:22:15 AM

壁に貼られた複数枚の彼女の写真。
僕は写真が趣味で、彼女の写真をよく撮っていた。
特に気に入っているのが、ふとした瞬間に出る何気ない表情の写真だ。
色気が出ていて、今見てもドキドキする。
だけど、二年前に彼女にフラれた。
僕は必死に引き止めたけど、彼女の気持ちは変わることはなく、僕達の恋人関係は終了。
彼女は元カノになり、彼女の写真は思い出の写真になってしまった。
写真を捨てようと思ったが、捨てられない。
新しい恋をしようという気持ちも沸かない。
だって、彼女が全てだったから。
……確か、彼女は今、男と同棲しているらしい。
この前、手を繋いでマンションの中へ入っていくのを見た。
彼女は今、どんな表情をしているのだろう?
彼女の、新しい写真が欲しいな……。
僕はカメラを持ち、彼女と男が同棲しているマンションへ向かった。

4/27/2025, 2:36:29 AM

真っ黒のボディで、いかつい蒸気機関車。
今日は、恋人のミアの見送りで駅に来ていた。
ミアは家庭の事情で、遠く離れた地へ行ってしまう。
俺は駅のホームから窓際の席に座っているミアと、窓を開けた状態で、発車する時間まで話す。
ミアはずっと微笑んでいて、この前号泣していたのが嘘のようだ。
多分、俺を心配させないように、悲しい気持ちを抑えて、微笑んでいるんだと思う。
俺は、ミアに向かって想いをぶつける。
「どんなに離れていても、俺は君への想いは変わらない。ずっと愛しているから!」
「ああ……ルイス……。あなたの言葉、すごく嬉しいわ!お願い、私の手をギュッと握って!」
「ミア!」
窓から出てきたミアの手を、俺はギュッと握る。
離したくない……この手を。
駅の時計を見ると、もうすぐ発車の時間だ。
「ミア、名残惜しけど、発車の時間だ。手を離してくれないか?」
だが、ミアは手を離そうとしない。
蒸気機関車は黒い煙と白い煙を出しながら、プオォォォ!と汽笛を鳴らす。
「どんなに離れていても想いは変わらないから、だから……手を離してくれないか?」
「いやよ!」
こうなったら無理にでも手を離して……あれ?離れないぞ。
まるで手と手が磁石でくっついているかのようだ。
「私の手には超強力な接着剤を塗ってあるの。ルイス、私と一緒に行きましょ!」
蒸気機関車が動き始めた。
手を離すことが出来ず、俺はそのまま蒸気機関車と共に走る。
「うおおお!!!ミアあああ!!!」
「ルイスううう!!!」
周りからは蒸気機関車に乗った恋人を必死に追いかけているように見えるが、俺は蒸気機関車とミアに引っ張られているのだ。
このままでは俺だけでなく、ミアの身も危ない。
「ていっ!!!」
俺は蒸気機関車へ飛び移り、身体を機関車にくっつける。
「ルイス!これで私達、ずっと一緒ね!」
「あ、ああ……強制的にだけど……ゲホッ!ゲホッ!」
前から飛んでくる蒸気機関車の煙に当たり、咳き込む。
駅まで体力と身体は持つだろうか……。
命綱は、ミアの手だけだ。
俺は蒸気機関車にしがみつきながら、ミアと共に遠い地へ向かった。

4/26/2025, 1:29:57 AM

彼女とのメッセージのやり取りが映るスマホ画面。
俺達は遠距離恋愛をしていて、お互い社会人で忙しく、月に一回しか会えていない。
また会いたいねって話になり……。
「最近俺ばっかりそっちに行ってるから、たまにはこっちに恋よ」
“来い“を“恋“と間違えて変換してしまい、そのまま送ってしまった。
削除しそうとした瞬間、彼女からメッセージが届く。
「また愛にきて♡」
彼女は“会い“を“愛“にわざと変換して、おまけにハートを付けて送ってきた。
……可愛いやつめ。
「分かった。俺が、また愛に行く」
「うんっ。楽しみに待ってるね!」
結局また俺が行くことになったけど、誤変換のおかげで愛が深まり、早く彼女に会いたくなった。

4/24/2025, 11:18:47 PM

現実と同じくらい、星の数ほどいるSNSの女性達。
今日も自室に籠り、複数人にダイレクトメッセージを送る。
何人か返事が返ってきて、数回やり取りをするが、最終的にブロックされてしまい、強制終了してしまう。
運命の出逢いとかいうけど、俺には全く縁がない。
だから俺は、こうして自分で出逢いのきっかけを作るしかないんだ。
巡り巡って出来た出逢いが、本当の運命の出逢いだと、俺は思う。
トイレへ行き、戻ってくると、誰かからダイレクトメッセージが届いていた。
「あんた、何人もの女性にメッセージを送ってるらしいじゃない。都合が悪くなったらアカウント作り直してるみたいだし。そんなに出逢いがほしいなら、外に出て探しなさいよ」
正論の矢が飛んでいて、胸に突き刺さる。
矢を抜くことも、言い返すことも出来ず、放心状態になり、指を動かすことも出来なかった。

4/23/2025, 12:18:17 PM

待ちに待った週末の金曜日。
今日頑張れば、明日は休みだ。
明日は何しよう?
いつも家でだらだらしているだけだし、久しぶりにどこかへ出掛けるのもいいな。
出掛けるにしても、どこへ行こうか?
最近、商店街に新しい店が出来たらしいし、見に行ってみようかな。
いや、思い切って遠くへ行って、ぶらり旅というのも悪くない。
まっ、明日起きてから、どこへ行くか決めることにしよう。
よーし、明日は外へ出るぞー!
明日に向かってテンションを上げつつ、仕事に取り掛かった。

次の日の土曜日。
目が覚めて身体を起こすと、違和感を感じた。
今週は残業が多かったせいか、身体が怠い。
折角今日は出掛けようと思っていたのに……。
今日は家で身体を休めることにしよう。
そういうことで、おやすみなさい……。

次の日の日曜日。
昨日とは違い、身体は絶好調だ!
よーし、今日こそは出掛けるぞー!
部屋着を脱ぎ、この前通販で買った新しい服を着る。
髪型ヨシッ!歯磨きヨシッ!身だしなみヨシッ!財布ヨシッ!ショルダーバッグヨシッ!
準備万端で、俺は勢いよく玄関を開けた。
ザーーーッ!!!
外は、大雨だった。
あちこちに水溜まりが出来ていて、大量の雨粒がアスファルトを叩きつけながら跳ねている。
俺は、ゆっくりと玄関を閉めた。
出掛けるのは来週にして、今日も家で過ごすことにしよう。
来週はどこへ行こうかと予定を立てていたが、当日になると面倒になり、結局家で過ごす俺であった。

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