いつか来たはずこの場所は、変わらず星が綺麗。

鞄から星座の早見表を手に取る。

かつて隣にいたはずのあの人が、私が小さい頃に教えてくれたこと。

北斗七星から、うしかい座へ。

そこから更に線を延ばす。

　　　　
　　　「恒星“スピカ”
　　　　　　　　おとめ座の1等星だよ。」


不器用で少しキザな、あの人の言葉を辿りながら。

【No.8 ＃星座】

涙が出る。

疲れてしまった。

いつもはすぐに流せることでも、頭からこびりついて離れない日。

そんな日は夜更かしをして、何も考えずに。

手を取って、私と踊りませんか？

【No.7 #踊りませんか？】

あの人ともう一度巡り会うことはできない。

でもまたいつか、

この世界の何処かで会える日が来たらな、なんて。

記憶に残るあの人の顔はいつも、

相変わらずの笑顔で。

【No.6 #巡り会えたら】

私は3億分の1の奇跡により、今ここで息をする。

今日もまた、地球の何処かで同じ奇跡をもう一度。

新しい笑顔が生まれることをただ願って。

【No.5 #奇跡をもう一度】

たそがれ時に、目を劈くような光に耐えながら見る景色。

昔あの人と一緒に眺めたことを思い出して不意に涙が出そうになる。

まるでまだ隣に居るかのような暖かさに包まれながら、私はまたいつもの帰路につく。

【No.4 ＃たそがれ】