たまには、考えるのをやめなよ
考えて、考えて
そこに残った、もの
でも、それにほんの少し縋ってしまえば
ほんの少し、足を踏み入れれば
それにじっくりと食べられてしまう
うまく使った気分になっても、
それに食べられている
考えによって脳が、自身が、食べられていく
それは自殺であり、相討ちだ
同じ終着点をくるくると回り、そこにやがて住み着く
ただ、なんだかそれはとても悔しいから
そんなものには、背いてやりたいから
だから、たまには帰ってきてよ
手に入れたいもの
それは、いつもずっと、隣にあった。
だけど、どうやってもそれには手が届かなかった
掴もうとするたび、それがあやふやに溶ける
それを表すような言葉が、溶ける。
それで
「何を手に入れたいのか分からない」
だなんて浮かんだとしても、確かにずっとそれはいつだって隣にいた訳で
だから寂しくなってしまう。
手に入れたくなってしまう。
いつだって隣にいたかもしれないのに
今日は、遠くの町へ
思い出の交差点へ
空のひらけた線路沿いへ
そこから、
アパートの駐車場まで。
久しぶりに見たその建物は、まるでなんだか拒んでくるようで
だってそれは、全部遠くへ行ってしまったから
もうこれは遠ざかってしまったものだから。
でも、だから会いに来たんだ。
また会いに来たんだ。
あの頃、がもう遠くへ行ってしまっていても
あの頃、がもういなくても。
逃げる、逃げている
どこまで、どこに逃げればいい?
どうやって逃げればいい?
ああそうだ分からないから、逃げたんだ
とっくにもうたくさん、逃げてきたんだ。
逃げ込んだ先で、そこから、また逃げ場を探して
そうやってそうやって、行き場を逃して
でもきっとそんなものは、いらなかったから
ずっと持っていた、はずだから。
それ以外は、もういらないと思った。
ここにいれば、よかったんだって。だから
これはきっと今もなおの現実逃避で、
ずっと動かない最後の逃げ場。
君はどうして、こんなことをしているの
どうして、関係性を求めて
どうして、それに名前を付けて
どうして、それがまるで大きいものだと
自分と他人の、それ以外を見いだそうとして
好きと嫌いを、実在するものだと思って
気持ちを、思い込んで固めて
君のそれを、問いただしたい
そうやって、正した気になってみたい
突きつけてやりたい
そうしたら
君は今、どう思うの