8/30/2024, 10:51:51 AM
お題《香水》
春の夢が覚めた先で、君を思い出す。
桜が散ってゆくように、淡い泡沫の香り。
遠ざかる君から香る夢の跡。
8/29/2024, 10:25:27 AM
お題《言葉はいらない、ただ……》
黄昏の空になびく外套。
振り返ることすらないけど、その背中から伝わるのは《信頼と約束》――生死を厭わないその人は、決して命を軽んじているわけじゃない。
“生きるために、守りたいから俺は闘う。俺は、絶対死なないし死ぬつもりはない。それに――”
黄昏に舞う花弁。
世界は美しくて、果てしない夜が広がっている。
“お前らがいる。それだけで、充分だろ”
背中から伝わるのは、永遠の絆と覚悟だ。
あの日の言葉が、今、咲き誇る。
8/28/2024, 10:50:46 AM
お題《突然の君の訪問》
それは暁が訪れ、春雷が花開いたよう。
運命なんて月並な言葉で踊らされ浮足立つ僕は、蝶かもしれないね。
8/27/2024, 10:42:03 AM
お題《雨に佇む》
神隠しの香りがする。
雨に混じって、心を麻痺させる。
永遠なのか、泡沫なのか。
悪夢なのか、希望なのか。
神隠しの香りは懐かしく、金木犀の香りによく似ている。あるいは雨の日の森の香りだろうか。ただどれともしっくりこない、正しくはない。
雨がしとしと降る。
誰も彼もが泡沫で、神隠しの呼び水のようにしか見えない。
8/25/2024, 3:31:47 PM
お題《向かい合わせ》
鏡から目を逸らす。
鏡が映すのは、いつも真実だから。
美しい夢を魅せてはくれない。
それでも、真実は美しい。