椿灯夏

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4/11/2023, 11:10:38 AM

お題《言葉にできない》



忘れられたわたし。



今日も教室には雨が降る。



破り捨てられた教科書も。


目の合わない日常も。



いつか終わる。


いつか変わる。



淡い期待の海に溺れて沈んでは、浮上を繰り返す。




そんな日々に疲れてしまったわたしが出会ったのは。


風に揺れる向日葵のように、陽に煌めく髪の少年。
色褪せた本を宝物のように抱いて笑った。





「君が望むなら。――ひとひらの夢を魅せてあげる」





瞳から優しい花びらが、零れ落ちた。



4/10/2023, 11:28:03 AM

お題《春爛漫》



青空の開演。


青い小花の子どもたちは懸命に道端で背伸びをする。
囁くように、楽しいおしゃべり。


公園で淡い黄色のワンピースを広げる子どもや、ふわふわのワンピースが風に咲く子ども。



今日も日常には夢があふれている。

4/9/2023, 11:32:45 AM

お題《誰よりも、ずっと》




優れたるものは何一つ持ち合わせてないけど。

それでも、



躓(つまず)いて


躓いて 



物語を描いて、夜明けを掴んだ。



不安も苦しみの種もいつかきっと、花咲く。



すべては、そのための今だから。



4/8/2023, 11:33:52 AM

お題《これからも、ずっと》





失ったものと友に生きていく。


終わりじゃない。


――始まりだ。

4/6/2023, 11:06:08 AM

お題《君の目を見つめると》



菫色(すみれいろ)の瞳に星が降る。


告げなきゃいけない言葉が言えなくなる、嘘が真実となる。――ああ駄目だ。真実を告げてしまえば君が傷つくことになるのに。



心は砂城だ。


泡沫の心は、すぐゆらゆら水面を揺らす。





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