12/28/2022, 11:41:29 AM
お題《冬休み》
異国のクリスマスを描いた童話の物語が、キラキラ輝いて見えたんだ。
物語しか寄り添う者はいない。それでも確かに、幸福だったんだ。鮮やかなポインセチアが庭先を染めて、雪原に佇む図書館は――僕の小さな箱庭《たからもの》。
おすすめの物語を手にとって見たら、もうそこは寒くなんてないし悲しくなんてない。
冬休みの孤独が解けた先にはきっと――笑顔の明日が生まれるから。
12/24/2022, 3:50:21 PM
《お題》イブの夜
天の涙が降る夜に煌めく街灯り
幸福の声が咲いて 散って
僕らは特別な物語を描く
それは永遠に枯れることのない――
鮮やかな物語
12/24/2022, 4:49:13 AM
お題《プレゼント》
たまたま通りかかった虹色のおしゃれな雑貨屋さんで見つけた、小瓶に入った桜色のキャンディー。
春色の淡くてあまい君の纏う空気と一緒だと、思わず頬が緩む。
気がついたら手にとって、レジへと向かっていた。
ああ――なんと言って渡そう。君の誕生日は冬の月だし、特別な理由もない。妙にそわそわした気持ちで、でも必ず喜んでくれるであろう君に、早く会って渡したい。
俺は流行る心をおさえ、駆け出した。
君に、はやく渡したくて。
12/18/2022, 12:18:06 PM
お題《冬は一緒に》
煌めく冬の結晶がこころに降り
聖なる季節の始まりを告げる
「おかえりアシュレイっ」
「ただいま――エリアーデ」
緋色の髪が白銀の世界で灯火となる。
遠い異国の地で戦い、あかい花を見つけた時、必ず帰るんだと心に強く炎を灯して――アシュレイはやっと帰ってきた。
青年にとっては彼女の髪が、夜明けの色だから。
この髪に導かれたのだ。
12/16/2022, 11:44:48 AM
お題《風邪》
柑橘の透きとおった香りと蜂蜜の夢心地の甘さのお茶を飲んで、月明かりの夢に抱かれて。
今夜は眠ろう。
悪夢は現実において。
今だけは。