椿灯夏

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12/24/2022, 3:50:21 PM

《お題》イブの夜



天の涙が降る夜に煌めく街灯り


幸福の声が咲いて 散って



僕らは特別な物語を描く



それは永遠に枯れることのない――
鮮やかな物語


12/24/2022, 4:49:13 AM

お題《プレゼント》


たまたま通りかかった虹色のおしゃれな雑貨屋さんで見つけた、小瓶に入った桜色のキャンディー。


春色の淡くてあまい君の纏う空気と一緒だと、思わず頬が緩む。


気がついたら手にとって、レジへと向かっていた。


ああ――なんと言って渡そう。君の誕生日は冬の月だし、特別な理由もない。妙にそわそわした気持ちで、でも必ず喜んでくれるであろう君に、早く会って渡したい。



俺は流行る心をおさえ、駆け出した。



君に、はやく渡したくて。


12/18/2022, 12:18:06 PM

お題《冬は一緒に》


煌めく冬の結晶がこころに降り


聖なる季節の始まりを告げる




「おかえりアシュレイっ」

「ただいま――エリアーデ」




緋色の髪が白銀の世界で灯火となる。



遠い異国の地で戦い、あかい花を見つけた時、必ず帰るんだと心に強く炎を灯して――アシュレイはやっと帰ってきた。



青年にとっては彼女の髪が、夜明けの色だから。



この髪に導かれたのだ。



12/16/2022, 11:44:48 AM

お題《風邪》



柑橘の透きとおった香りと蜂蜜の夢心地の甘さのお茶を飲んで、月明かりの夢に抱かれて。


今夜は眠ろう。


悪夢は現実において。


今だけは。

12/10/2022, 8:33:43 AM

お題《手を繋いで》



亡き友の想い継ぐ 


星の涙が降り注ぐ夜

声の限り泣いて

明日からもう泣かないから――儚き誓いたてた 喪失の夜


夜を織り込んだマフラーに涙はとけてゆく

明日がくるのはこわい


でも僕らの友情は

コンペイトウのように夜を彩り続ける



――僕らの友情は色あせない



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