#赤い糸


ある日突然見えた赤い糸。

僕の左手の薬指に巻きついている。

……あれ、これ、運命の赤い糸なんじゃ？

思わず赤い糸の先を見た。

目の前にいるのは絶賛片思い中の彼女。

｢……何、ジロジロ見て｣

そう言った彼女の左手の薬指には、僕と繋がる赤い糸。

#夏


今年も蝉の鳴き声が響く暑い夏が来た。

夏は海やかき氷、夏祭りとか様々な楽しみが増えるから好きだ。

それに君と出会って初めての夏。

さて今年の夏は何をしようか。

#ここではないどこか


急に何も考えられなくなった。

本当にちょっとした嫌な事が積み重なって。

でもそれを発散させる場所もなくて。

ただここではないどこかに逃げ出してしまいたかった。

スマホも鍵も何も持たず玄関に向かった。

ドアを開けて1番に視界に入ったのは君。

｢そろそろ限界かなと思って来たら予想通りだね｣

目の前にいる私が大好きな彼は微笑みながらそう言った。

｢2人で逃げようか、ここではないどこかに｣

その日私は、彼の手を取り行き先も決めず歩き出した。

#1年後


1年後、私は何をしているのだろう。

多分、今の生活と変わっていないと思う。

でも、楽しく過ごせていたらいいな。

#子供の頃は


子供の頃は何も知らず、ただ笑って泣いて。

その時の私は早く大人になりたい、そんな事だけを考えていたけれど

実際大人になると大変で、忙しい日々が続く。

子供に戻りたいな、と思うことがあるけれど

今は大好きな君と会えたんだから。

案外この生活も悪くないなと思える。