#あじさい
『あ!見て見て、あじさい!』
学校の帰り道、急に君が大きな声で叫んだ。
『私あじさい好きなんだよね〜、綺麗じゃない?』
こちらを振り向き笑顔で話しかける君。
「…確かによく見ると綺麗だね」
『でしょぉ?』
そう言われふと顔をあげると、笑顔が素敵で僕が大好きな君がいた。
「…君の笑顔見るの、僕好きだな。」
素直な気持ちを伝えると、数秒後には顔を真っ赤にした君がいた。
……ああ、もう、僕は自分が思っているより君に惚れ込んでいるらしい。
#好き嫌い
好き嫌いがあまりない私。
食べ物は基本何でも美味しく食べるし
難しい事も自分から取り組んでいくタイプだから。
でもそんな私にも一つだけ大好きなものと大嫌いなものがある。
君の幸せそうな顔を見るのが大好きだけれど、
君の辛そうな顔を見るのは大嫌いなんだよ。
だからね、君が幸せなら私も心の底から幸せと思えるよ。
#やりたいこと
『私やりたい事あるんだよね』
「へぇ、何?」
『沢山あるよ。美味しいものを沢山食べたり、海を見にも行きたいなぁ。』
「いいね。全部行こう、一緒に」
『行けたらいいなぁ……』
病室で窓の外をどこか悲しそうな表情で眺める君。
神様は意地悪だ。僕の大切な人をこの世界から奪おうとするのだから。
#朝日の温もり
元々朝が弱い私。
眠いし一日の始まりと思うと憂鬱だ。
でも今日はいつもとは少し違う日。
朝、目が覚めると感じる温もり。
目を開けると朝日が差しており
眩しくて思わず目を閉じた。
こんな日が週に一回あってもいいな。
ふとそう思った朝だった。
#岐路
特に何も無いごく普通の毎日。
ある程度満足していたが、心のどこかで
ずっとこの日々が続くのだろうか。
本当にこのままつまらない日常を過ごすだけでいいのか。
ずっと考えていた。
その時にテレビで見たバレーボール。
今までは興味が向かず経験なんて全くない。
けれどこの瞬間、テレビの向こうのバレーが
私には凄く輝いて見えた。
まるでボールを自由自在に操るようなプレー。
目に見えない速さで思いっきり打たれるスパイク。
初めて私もやってみたいと興味が湧いた。
きっと今私は、人生の岐路に立っているだろう。