君は今、何を見て何を感じていますか。
君は今、誰と出会って誰を愛おしく思うのでしょうか。
君は今、どんな匂いを嗅いで思い出を巡っていますか。
君は今、どんな音を聴き声を奏でているのでしょうか。
君は今、どんな空を見ていますか。
君は今、どんな風に吹かれていますか。
君は今もなお、私との日々を覚えていてくれていますか?
君は今、幸せですか?
どこか物憂げで儚いあの空を眺めて
いつかは綺麗だと思えるのでしょうか。
貴方と同じ空を見て
同じ気持ちで居られたら
それ以上の幸せはないと言うのに。
そんな願いさえ叶わない気がして
それがどれだけ辛い事か、貴方は分かっているのかしら。
あの時は
曇った私の心さえも「綺麗だね」と笑う貴方がいて
初めてあの空を、自分自身を愛せる気がしていたのに。
結婚報告や、新しい命を見る度に私は
自分にない幸せがどうしようもなく羨ましく
妬ましいと思うほどに何も無い人間で。
親戚の元に産まれたばかりの小さな命を
この腕に抱いたときに思った。
貴方と離れた事に今は一つも後悔はないけれど
いつか、お腹を痛めて産んだ子を抱く時に
隣にいて欲しいのは貴方なんだと
幸せだと涙を流す相手は
他の誰でもない貴方であって欲しいと。
「 素敵な人と出逢って幸せになって欲しい。」
そう何度も私に伝える貴方に
私はいつも虚しさを覚える。
「 貴方以上に愛せる人なんてどこにも居ないの。
だから、もっと素敵な人になって帰ってきてよ。」
幾度も道を迷い戻りながらも
最終的に辿り着く場所が私であれたら
どれだけ幸せなのだろうか。
止むことない雨のような
私にとってあなたは太陽のようで。
私の雨を、屈託なく笑うその笑顔と
たった一言でいとも簡単に晴らしてしまう。
きっとあなたにとっての私も、太陽だったのだと
離れてやっと気付けたんだよ。
気付いたのが遅かったね。ごめんね。