衣替えの季節
クローゼットをかき分けていたら、
「あっ」
っと声が出た。
あなたからもらった、暖かな上着
なんでか知らないけど3月の私の誕生日に、上着を買ってきた。
もう、春だってのに
今年、着ようかなって、腕を通したけど、きつくて入らない。
観賞用の上着になった、あなたの上着
でも、貰った時すごく嬉しかった
毎年、観賞用の上着買ってね
声が枯れるまで、歌を歌った。
まだ、まだ、まだと、練習練習
あなたに、見てもらうために
「凄かったよ、優勝おめでとう」って、言ってもらうために
でも、でも、結果は5位
でも、でも、あなたは褒めてくれた
「凄く良かったよ 5位なのがおかしいって思うくらい!」って
嬉しい
でも、もっと練習する
あなたに、表彰台に乗ってる姿を見てもらうために
あなたを思う時、
始まりはいつも「羨ましいなぁ」
だって、私より頭が良くて、みんなに好かれてて
私と何もかも違う。 天と地の差
そんな人に、恋していいのかなって、いつも思う
でも、今日はポジティブに考えてみる。
天と地差があるとき、憧れる(羨ましがる)のは、当然のこと。
好きなのは、憧れてるから。
違う
本当に好きって思う理由は、
好きだから
廊下で、あなたとすれ違った。
その時、「バンッ」っと音がして、重たいものが落ちる音と、「痛っ」っという声がした。
自分も持っていた本7〜9冊の本を落として、足首が「グリッ」っとなった感じがした
痛くて、「ヴグッ」っと声が出た
その時、あなたが
「ねぇ、大丈夫?」って声かけてくれた。
そして、手を差し伸べてくれた
その後、
「ゴラァァァァ!廊下走るな!」っていう先生の声
先生に怒られたけど
足首痛いけど
膝も擦りむいたけど
全部全部どうだっていいの
あなたの手を握れたから
それだけで良いの
秋の空は、夏の空と違う。
カラッとしてない、少し寒い、なんだか不思議な空はもう見えなくなっちゃう
あの子と、この空の下で手を繋げたら………
でも、それは叶わないって、わかってる
だからこそ、手を繋ぎたい
お題 秋晴れ