途中から脱線マン

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12/16/2023, 12:52:14 PM

熱に浮かされ上手く働かない頭に苛立ちを覚えた。
吐き気と頭痛で、気分は最悪。風邪を引くといい事がない。
風邪とは無縁の生活をおくる人々を、心の底から羨んだ。

「……おかあさん」

理由もなく、何が怖くなって母を呼ぶ。
来てはくれないだろうと思っていたのに、以外にも母は心配そうに私の方へ来た。
優しく頭を撫でて、大丈夫?冷えピタかえようか?と声を掛ける。
あぁ、これはきっと都合のいい夢だ。 そう思うと同時に、誰かがこちらへ向かって来る音がした。
ほら、やっぱり夢だった。
足音が聞こえだしたあたりで目が覚める。

「あんれま!inkおはよう!かあいいねえ!」

「……あぁ、おはよう。そしてありがとう」

起き上がるのがなんだか面倒くさくて、ソファに寝そべっていると、足音の正体であろう人物が、元気よく部屋に入ってきた。
彼女は私の足を少し持ち上げてソファに座る。座ると上げた足を自身の足の上に下ろした。

「普通に言ってくれりゃあ退くというにね」

「寝てて、そのまま。疲れてるでしょ?疲れたって顔してる」

私の表情筋はぴくりとも動かないはずなのに、いつも彼女は私の変化に気付く。どうやって見抜いているのやら。

「疲れては、ないよ。多分」

「何かあったの?話してみてよ。そしたら少し軽くなるのよ」

別に特別隠さなければならない話ではなかった為、私は見た夢の話をした。
風邪を引いて、母が優しい声を、視線を私にくれた事。

「ありゃ、むかあしの記憶さね。風邪引いて、優しくされて、その時の自分が羨ましかったっつう話じゃ」

「……そっか」

「昔の話よ、昔の。もうあれから何年経ったと思う?百はゆうに越しとる」

何かを気にするような仕草をする彼女にそう言えば、そうだよね、と返される。
それ以上彼女は何を言うでもなく、ソファで寝てしまった。




途中から何書きたいか分からなくなってしまいました。