本日、晴天も晴天。なんなら夏日の地域もあるなか、わたしはというと片付けきれてない肌触りの良いこたつ布団に包まって冷房とのコンボを貪っていた。
先月の今日はまだ朝晩が寒くて、日当たりの悪いこの家は曇りだと薄い長袖では過ごせず厚手のものに着替えるくらいで、まだ出張から帰ってこない旦那を待ちながら、終わり支度をしている愛娘の仕草ひとつひとつに注視しては答えがわからず、在宅の仕事中も仕事ほっぽり出したいくらいに気も漫ろだった。
明日が月命日だから、お花を買ってこなくちゃと思うが布団から出られなかった。
母方の実家も片付けに行かなくちゃ、と思うが伯母に連絡する気になれなかった。
人生においての区切り事に毎度わたしはスムーズな切り替えができないでいた。
前に進めば、出来事は完全に過去になってしまうから、先延ばしにしたいんだと思う。
ではずっと悲しみの中にいたいのか。
悲しみを受け入れ、乗り越え、楽しかった日々ばかりを思う日常を望んではいる。
でもね、わたしは知っている。悲しみは時間が経てば和らいでくることを。どんなに悲しくて空虚でも日常を取り戻せることを。こんなにも、簡単に、愛する人との終焉の日々を忘れてしまう自分がいることを。
現実逃避をしていると旦那が帰ってきた。彼の声で現実に舞い戻る。晩ご飯なんにしようか。あ、お花買いに行きたいの。あそこでお惣菜も買ってこよう。支度?これで行くよ。うそうそ、着替えるから待ってて。
食卓で骨付きのフライドチキンを食べていると、どこまで食べれるかが話題に上がった。
彼は軟骨も食べるので残る骨は綺麗なものである。対するわたしはというと、子供の頃よりは噛んで食べるようにはなったが硬い軟骨はハードルが高い。
「わたし、子供の頃上手に食べれなくてさ、衣のおいしいとこだけ食べてお母さんにあげては嫌がられてたんだよね」
「ふーん」
「まぁ我が子の食べさしとはいえ、食べたくないよね。食べれる?」
「食べれるよ、それも食べてやろうか?」
「え、わたしの食べさし、食べれるの?」
「食べれるよ」
「まじ…え、家族のは食べれるってこと?」
「んー、いや、無理。愛する妻のだからいけるって感じ?」
ほぉー…。
旦那の中でわたしは、こんなわたしでも特別らしい。大事にしなさいよ、と母に言われたことを思い出した。
我が家で1匹になってしまった黒猫は、1匹になった途端に欠かさず添い寝をしてくれるようになった。というか、枕ごとわたしのスペースを占領している。
遊び相手がいなくなって寂しいのかな。家族構成が変わっちゃったんだもんね、この子の心のケアも大切にしなくちゃいけないな。
散っていくもの、変わらずそばにあるもの、守るべきもの、相変わらず大切なもの。
色んな気持ちを抱きしめて今日は眠りたいと思う。互いに慰め合いながら寄り添いあって。(物理的に)
◇きょうの心模様◇
今はしないけど
幼い頃は道端のお花を摘んで
花びらを1枚ずつちぎって
花占いしてたな
令和の時代にも存在するのかな?
なんかロマンチックではあるんだけど
あれってさ
お花かわいそうじゃない?
だったらさ
好きか嫌いか花びらちぎってないで
作戦練るなりアプローチするなり
自力で落としたほうが 良くない?
◇すき きらい◇
あなたと添い遂げる覚悟があれば
わたしは今頃 広島にいるだろう
わたしが目移りしなければ
いまもあなたの言葉に縛られて
泣いたり怒ったりしてたのかな
地元に帰りたいって
泣きながら懇願しなければ
あなたの心は壊れなかったよね
もしあのときに戻れるなら、って
時々思うんだけれど
少し考えて でもすぐに頭をふって
願わないようにしてる
だって
わたしが選ばなかった人生を
選んで生きている「わたし」が
いると思うから
あんまり願いすぎると
パラレルワールドのわたしの人生に
変わっちゃう気がするから
いまのわたしが大切に思ってる人を
これからも大切にしたい
あなたに出会わなかった世界線を
「わたし」は望まない
◇岐路◇
たとえば 周りの人がみんな消えて
聞こえてくるのは
蛙の鳴き声と鈴虫の音のみ
とっぷり暮れた夜空を見上げ
わたしは誰を思うんだろう
生きていてほしい人のこと
大切な家族のこと
過去に置いてきた思い出
縁を切った友達のこと
いっぱい思い出すんだろう
そうなったら やっぱり
花盛りだった頃に大喧嘩した
きみに会えたら
底なしの絶望から救われて
笑っちゃうかもな
◇世界の終わりにきみと◇
◇だれにも言えない秘密◇