-----もう冬休みだねえ
フランシスは窓の外の銀世界を見つめながらひとりごちた。
副会長と会長だけが残った生徒会室もすっかり冷えきり、会長--アーサーがパソコンを打つ指先はかじかんでいる。
暖房でもつければいいものを、ふたりきりなのに使うのはもったいないだのなんだのと、ふたりしてリモコンには手を伸ばそうとしない。
寒い寒いと誤魔化すようにのたまいながらフランシスは時折アーサーの手を包むように取る。
「早いわー。ねぇ、アーサー。冬休み予定ないって言ってたよね」
「あぁ言ったぞ」
「ならさ、その......俺とデートでもしようよ」
3月までの生徒会予定表を作成していた手を止め、アーサーはフランシスの方を見る。
未完
【プレゼント】
このところパリもロンドンも10度前後に冷え込む日々が続いている。雪こそ未だ降らないものの、人工的な光の枝たちが街を眩しく照らす光景にはまた今年も慣れ、いよいよ25日。クリスマスを迎えた。
先ほどカフェで一息ついていたとき、隣に座ったカップルがプレゼントを贈っている場面に出くわした。袋からしてアクセサリーとかそういう類いのものだろう。受け取った人間は、ありがとうとはにかみ、頬を紅潮させていた。
出くわした男--フランシスは、その一部始終を思い出し、その端麗な顔を曇らせた。脳裏をちらつくのは、いけすかない隣国の顔。
フランシスは、アーサーに恋をしていた。あまりに、格好が悪いけれど。どう転んでも「世界のお兄さん」でいられない相手なのだ。
好きな人、大切な人にプレゼントをあげたい。大切な人なんて綺麗な言葉で形容できる気持ちではなかったけれど、フランシスとてそれは例外ではなかった。
自分だけがあげられるものってなんだろう。
フランシスはそればかり考えていた。唯一でなくては駄目なのだ。その他大勢と大差のないプレゼントなど、自分がフランスである甲斐がない。
未完