【海へ】※フラアサ
「海とか行かない?」
発端はその一言だった。
久しぶりに連休が重なった。フランシスもアーサーも、仕事柄時間にゆとりのある生活ができているとは言えないので、休みが重なった日はどちらかの家で過ごすことがほとんどだった。
しかし今回連休ということもあり、1日ぐらいどこかに出掛けてみるかという話になり、フランシスがそう言った次第だった。
未完
【空模様】※フラアサ
アーサーは雨の日が好きだ。
ロンドンは雨が多いなんて言われるけど、言うほどざんざんと降るわけでもない。緯度のわりには目立つかもしれないけど、湿潤な地域と比べたら至って普通である。
何にせよ、雨の日はどことなく気分が上がった。
フランシスは空から降る雨を見ると、まぶたを軽く伏せ、「あーあ、雨だねえ。やんなっちゃう」とかそういう類いのことを言うやつだった。傘で手が塞がるのがやつの美意識とかいうものに反するのか、雨の日は積極的に外出したがらなかった。
未完
【鏡】※二次創作 フラアサ
アーサーは、鏡に映る自分の髪を意識すると思い出すことがある。
もう1000年ぐらい前のこと、自分の家---つまり国の上層部が一気にノルマンディーから来たフランス人に入れ替わり、フランス文化を持ち込んできたとき。国内ではフランス文化は優れたものとされ、国内情勢に情緒が左右されるアーサーももれなくフランス文化に憧れた。というより、フランシスに憧れた。
昔から顔も声も言動もへらへらしてむかつくやつだったが、髪は綺麗だったし、今もそれが気に入っていないと言えばまあ嘘になる。
【未完】
【物憂げな空】
保存
【LOVE YOU】※フラアサ
愛してる。
最後にそのかさついた唇から聞いたのはいつだろうか。1000年の時を重ね、お互いひどく傷ついたものだ。
愛とはなんだろうか。ああこんなことを言えばあの野暮ったい眉毛はそれをひそめて俺を睨むに違いない。アーサーは嫌いなのだ、そういった面倒くさい抽象的な類いが。
【未完】