夢が醒める前に
わたしは夢を見る
整合性とか理屈とか
そんなの気にしない
不思議で
おもしろくて
時々悲しくて
ても胸の熱いやつ
わかってる
目が覚めると
ほとんど忘れてしまうって
夢のストーリーをなぞっても
目覚めたわたしは
理性の制御がかかって
夢の無秩序を
受け入れられないのだ
起きたらすぐ
スマホにメモするつもり
だけどできるなら
夢が醒める前に
今ここで
メモ取りた〜い
胸が高鳴る
ショッピングモールのガラス越しに
知っている背中を見つけた
そのとたん
大きく1つ鼓動が跳ねた
まばたきもできず
息も吸えず
苦しいほどに
胸が高鳴る
うそ
なんでここに
来たとこかな
帰るとこかな
ひとりかな
話しかけてもいい?
今日わたしどんな服着てた
なんて声かけよう
・・ちょっと待ってこれって
結局その人は
こちらを向いたら知らない人で
わたしの脳内のドタバタは
まったくの無駄だったけれど
なんでこんなにうろたえたのかと
考えれば
考えるほど
胸の鼓動は高まるばかり
泣かないよ
泣かないよ
まだだいじょうぶ
いま泣くのはもったいない
泣くのなら
ティッシュを用意して
誰はばかることなく
思いっきり
声を上げて
涙をこらえず
顔がぐしゃぐしゃになるくらい
かわいくも
きれいにでもなく
ぶざまなくらい
後先考えずに泣くのだ
怖がり
ずっと一緒にいたから
ひとりになるのが
とても怖い
あなたを
ひとりにするのが
とても怖い
過ぎ去った日々
過ぎ去った日々と聞いて
思い出そうとしたのは
懐かしく幸せな思い出
もどれないからこそ
輝いていて
少し切ない記憶
だけど
思い浮かんだのは
そっと目を伏せたくなる
少しすっぱい記憶
ああ
あの頃わたしは若かった
なぜにこういう記憶は
いつまでも
いつまでも
忘れられないんだろう
もう少し時が経てば
これすらも
いい思い出になるのだろうか
どうかな
とりあえず今は
あの時のあれどこにやったかなとか
ちゃんと処分したっけかとか
あの後どうなったか思い出せないとか
落ち着かない気持ちになっている