NoName

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8/12/2023, 11:37:29 AM

ここに来るたびに思う
君の奏でる音楽が好きだったと

ひとり奏でる姿、響く音色、窓から吹き込む心地よい風
それを静かに聴く、ぼく
全て覚えている

まるで世界でふたりだけになったような

思い出すたびに戻りたくなる

君のいる世界に

『君の奏でる音楽』2023,08,12

8/10/2023, 1:05:45 PM


田舎の、人もまばらな列車は終点に向かっていくにつれ乗降客が減っていく。
この車両も、僕と幼馴染の2人だけになってしまった。
初めての出会いから特殊すぎて、幼馴染と言っても特に会話もしない僕ら。
今日も今日とて帰りの列車に揺られていると、不意に肩にずんっとした衝撃があった。
隣に座る彼がもたれかかってきたのだ。
君は僕の肩に頭を預け眠っていた。
リュックを抱きしめながらねむる、その横顔は、普段からは想像もつかないほど柔らかく穏やかで、思わず見とれてしまった。
ふたりきりの車両。
車窓からは夕日に照らされ茜色の見慣れた田園風景がながれていく。
僕らの降りる駅と終点の駅までは一駅分、普通に歩いても帰れる距離だ。
『次は――駅。――駅』
次の駅を告げるアナウンスが鳴った。
終点まで起こさなかったら君は怒るだろうか?

『終点』2023,08,10

7/27/2023, 11:18:38 AM


⚠死、血、グロ、いじめ、復讐、犯罪、表現注意⚠







『復讐するなら今だよ♡トドメ刺しちゃえ♡』
脳内で天使が悪魔のように囁いている。

目の前には散々僕をイジメてきた男が倒れている。
そして、僕の手には血に濡れたナイフが握られていた。
ということは、男を刺したのは自分なのだろう。
本当だとしたら自分は人殺しになるのに、頭はヤケに冷静だった。

このまま放って置いたら彼は死んでしまうのだろうか。

些細な疑問が浮かぶ。
最初にナイフを構えていたのは向こうなのだ。
自分は悪くない。
反撃されるなんて微塵も思っていない奴が悪い。
自業自得なのだから命乞いするなんて可笑しい。
ナイフを握った腕を高く振りあげようとしたとき……。
さっきとは別の神が舞い降り、囁いてきたのだ。
『復讐する方法なんていくらでもある』
その言葉に目を見張ると、ニヤリと笑みが溢れた。
静かにナイフを折りたたみ、血液が付着しないよう丁寧にタオルで包みこむと、バレないよう隠すように鞄の奥底にしまった。
そしてスマホで119を押していた。

倒れている人を発見して焦る、見知らぬ通行人の振りをして。

【神様が舞い降りてきて、こう言った】2023,07,27

6/27/2023, 12:37:49 PM

あぁ
いまだけは
ワタシではないだれかになりたい
ここではないどこかにいきたい
カコもイマもミライも
今日だけは
なにもかんがえたくない
どうかココロが壊れてしまうまえに
此処ではないドコカへ

2023,06,27『ここではないどこか』

5/30/2023, 6:33:32 PM

走って、走って。
ゴールも正解も見えない分からないままに、ずっと走り続けている。
ただ1つ分かることは、これが夢だってこと。
逃げなきゃと私を駆り立てる得体の知れない恐怖は、現実(ホント)か、はたまた夢(ウソ)か。
逃げてばかりじゃ一生終わら(抜け出せ)ないのに。



『ただ、必死に走る私。何かから逃げるように。』2023.5,31

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