【ひとしきり追いかけたら…】
何でもないを装って
手のひらの中で流れてゆく
どうでもいい動画(もの)を
ただただ追いかけている
ホントはすごく傷ついているのに
認めたくなくて
ただただ追いかけている
追いかけても追いかけても
何も良くはならないけれど
ひとしきり追いかけたら
傷口に絆創膏を貼るくらいのことは
しようと思っている_
お題:現実逃避
【してほしいではなくて...】
カーテンを開けてふと優しくありたいと思った今朝の空は憂いを帯びた曇り空。昨日の雨はどうにか上がりこれからは晴れ模様。きっと少しだけ春の匂いを含んだ空気が優しさを求めさせるのであろう...
何に対してなのかはわからないけれど、「してほしい」ではなく、「そうありたい」というところが、たぶんポイントなんだ思う。
#物憂げな空
【脱力ラッキー🍀】
今日こそ伝えなければ...
と、拳を力強く握りしめていた昼下がり
ところが、春になりかけの陽ざしが優しすぎて何だかもうどうでもよくなってきて、このままここで野良猫を愛でながら春を待とうと思い至る。ベンチに座り直し、握りしめた拳をひらいたら、足元のクローバーの葉が四枚なことにやっと気がつけた。
#伝えたい
【I Love…冬日和】
I Love…
ストーブ猫の寝息が聞こえる午後
じっくり淹れた珈琲は深煎り
お供のクッキーはカントリー風
チョコチップ多め
蕾のスノードロップ頷く窓辺で
小さな足音を立てたのは
きっと、春。
お題「I LOVE …」
【ミッドナイト・ゼリー】
形にならずに散らばった言葉を型に入れ、ゼリー液を流して冷蔵庫へ。
夜がいっそう深くなったころ、再び冷蔵庫のドアを開けると、眩く白い光を浴びせられてしまった。
これで今夜も私に「夜」は来ないだろうと確信しながら冷蔵庫から出した型から慎重に中身を外し、皿の上に無事に着地させると、ぷるんっ♪と波打つ深夜のゼリー。
この間、月面に着陸した探査機にもこんな緊張があったのだろうと的外れな思考を流しながら、
うやうやしく皿を持ち上げゼリー越しの夜を愛たら、私は皿の上のこの美しい世界を崩す神になった。
お題「ミッドナイト」