またいつか
またいつかと言って
次、会えたらラッキー
それくらい
不確実なな約束
あなたは
どれくらいの確率で
次、会えてるかな?
星を追いかけて
あんな風にきらきら輝きたい
私はここだよって知らせたい
何万年先も名を残したい
そんな願望は無いけれど
漆黒の闇の中
明るく輝く星のように
心はいつも熱くありたい
今を生きる
こうなったらいいな
ああなったら困るな
すぐに未来に思考が飛んでしまったり
なんでやらなかったんだろう
やらなければよかった
過去に引っ張られてしまったり
今を生きるって
意外と難しい
今をしっかり味わって
『この今』を選んで良かった
と思えるよう
今を生きたい
飛べ
飛ぶまでは恐い
飛ぶまでは怖い
けれど
飛んでしまえば
恐かったこと
怖かったことは
忘れてしまう
今だ!
飛べ!
さあ行こう
彼女の後ろ姿が見えた。
待ち合わせをしていたのに、どうして反対側へ歩いているのだろう。
一つ年下の妹が、
「大学案内して!そんでお兄の彼女にも会わせて!!」
と連絡してきたのは、彼女と約束をした5分後だった。
彼女には話してないが、一緒にお茶をするくらいなら、きっと大丈夫だろう。
一度会っていれば、妹もしつこく会わせろとは言わなくなるだろう。
「ここにおれよ。迷子探しさせんなよ」
と、妹を残して彼女を追いかける。
なんだか、様子がおかしい。
泣いてる?
「待って!どこへ…」
泣いてる。それもボロボロと涙を流して。
なんで。
「なんで、こっちに来るん?あの子のとこに戻って」
しゃくりあげながら、早口で拒絶される。
あの子…は、妹か。話してるの見てたのか。
それで、何か勘違いしてるようだ。
「戻るけど、それは二人一緒にな」
「それは無理。私なんかつまんないんやろ…」
俺の顔なんて一切見てない。大粒の涙をこぼしながら泣き続けている。
「なんか、勘違いしてるみたいやけど、あの子は俺の妹です。大学見学のついでに、お兄の彼女に会わせてって。朝から来てるんです。ちゃんと証明するから、顔上げて?」
涙で濡れた顔をやっと上げてくれた。
「妹…さん?」
「そ、言ってなかったから、何か勘違いしたみたいやけど。一切やましいことなんて、してません」
「ごめん…なさい。私なんか、本ばっかりでつまんないし、可愛い格好もできないし、あんなに笑えないから…」
また、下を向く。
今度は、両手で彼女の顔をはさんで顔を上げさせる。
「俺は、可愛いと思うのも、笑顔が素敵やと思うのもも、泣いてても美人やと思うのも、全部君だけです」
やっと、笑ってくれた。
「お兄、何泣かしてるん」
げ…。お前、来んなよ…。
「ごめんなさい。彼は悪くないの。私の勘違いで」
ハンカチで涙を拭って彼女は答えた。
「泣いてても美人なんて。お兄にはもったいないな」
と、ケラケラ笑っている。
さすが兄妹。同じこと思うんだな。
横で彼女も笑ってる。
やっぱり彼女がいちばん可愛い。
「さあ行こう。今日はうるさい妹付きで申し訳ないけど」
妹は、何やら文句を言っているが、構わず、彼女の手をとる。
俺は、彼女と一緒にずっと歩いていたい。