相合傘
僕は梅雨の時期が好きだ。あの子と帰る口実になるから。あの子はいつも傘を忘れる。そこで僕が「傘に入れてあげる」というとあの子はふふっと笑って「ありがとう」と言ってくれた。僕は梅雨の時期が前まで苦手だった。理由は湿気で髪が広がるからだ。でもあの子の笑顔を見たときずっと見ていたいと思った。そしてこの笑顔を守りたいと。
落下
僕の気持ちは落下していくばかりだった。僕には他の人とは少し違う能力がある。それは好きになった人を犯罪者にしてしまう能力だ。僕はこの能力を使わないために愛を届けることを止めた。この能力のせいで幼馴染も母親も父親もすべてを失った。今日だって一人好きな人を失った。どんなに僕が力を制御したって無理だった。もういいんだ。ばいばい。世界よさようなら。
好きな本
君との出会いは本だったね。漫画の中みたいに手がかさなってどっちもゆずちゃって結局じゃんけんで決めたんだよね。その後も会う頻度が多くなって仲良くったんだよね。わたしたちの恋のキューピットは本かな。まぁ君に会えて嬉しかったよ。今までありがとうばいばい。
あいまいな空
あいまいな気持ちは聞いたことがあるが、あいまいな空は聞いたことがない。だが、あいまいな空は気持ちと同じで、いろんな色が混じり合っているのではないか。だとしたら俺はそのあいまいな空が大好きだろう。あの日好きな人に告白して振られたとき俺が真っ先に思ったのは「どうしてあんな人好きになったのかな」だった。その時俺の気持ちは悲しさの青と疑問の紫、好きになって良かったのピンクだった。その色を混ぜるとあいまいな色になると思う。俺はいつまでもその気持ちが忘れられない。あなたのことが好きだったあの夏を。
好き嫌い
私は嫌いな人がいる。昔私がいじめられていたことは、この前の作品を見てもらえばわかると思う。私はその時に比べて口が悪くなった。でもそれは自分の身を守るためだ。何も言えなかったらやられるだけだと幼い私でもわかったのだろう。私には幼馴染がいて、その中の一人だけ口が悪くなった私に「何かあったの」と聞いてくれた。その子は昔の私とちがっていて不思議に思ったのだろう。私は泣きながら昔あったことを話した。その子は私の辛く、重たい話を30分も聞いてくれた。私は優しく話を聞いてくれたその子が好きになった。そしてどんなに辛くても裏切られても、信じられる人はきっといると私はその時知った。