NoName

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4/14/2024, 5:08:17 AM

快晴

快晴に晴れる空の下で俺はいつまでもあなたの顔を見ていたかった。そんな夢を抱きながら俺は外へ出た。病院の病院室に入ると彼女は人工呼吸器で息をしながらこちらを苦しそうに見つめていた。外には満開の桜が咲き乱れていた。俺は近くにあった椅子にすわり彼女に話しかけた。結局俺が淡々と喋っているだけで彼女花にも返事をしてくれなかった。それはそうだ。彼女は6ヶ月前に事故で植物状態になってしまった。俺は「ねぇ外がきれいに晴れてるよ!ねぇ返事してよ。俺家帰っても一人だからすごいさみしい早く戻ってきてね。」次の日外は初夏の匂いがしていた。毎日のように彼女に話しかけた。すると「海斗」とすごく小さな声が聞こえた。友達かと思い振り返ったが誰もいなかった。もしかしてと思い俺も「美波」とよんでみた。すると「はーい」返事が帰ってきた。俺はナースコールを押すと同時に目から涙が溢れてきた。そして美波が目覚めてから3ヶ月後美波は退院できる体に戻っていた。その日も空は青くきれいに透き通っていた。俺は病院の前で嬉しそうに笑っている美波の顔をずっとずっと眺めていた。