12/15/2023, 3:44:30 PM
私がまだ手を伸ばしても鉄棒に届かなかった頃、よく十数戸ほど離れた友人と遊んだ。車通りの多い国道が一本走る程度の都会だったが、幸い多少駆け回っても車に跳ねられた事はない。その日、大人では気にも留めないくらいの雪が降った。私は友人と窓を覗いては、積もればきっとお前が頭まですっぽり埋め尽くすほどの雪をかけてやるとはしゃいだ。しかしそれは私が帰るまでには到底叶わなかった訳で、終に友人の玄関を出る時には私はその事をすっかり忘れていたくらいだ。
やにわに陽を沈める冬の夕方、私は帰路に就く時にふと回り道をしようと閃いた。